UEFA Champions League 第5節 ユーべ対バレンシア 

概要

日本時間の11月28日(水)AM5時にユーべのホーム、アリアンツスタジアムにてキックオフ。

 ユーべにとって前節ホームでマンチェスター・ユナイテッド(以下マンU)に敗れたため、決勝トーナメント進出は先送りになった。ユーべはこの試合で引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まる

 一方、バレンシアは前節終了時点で勝ち点5で3位。2位につけているマンUとの差は2ポイント。マンU-ヤングボーイズの対戦結果にもよるが勝たなければリーグ突破は非常に苦しくなる。

 ユーべは今シーズン最も採用されている4-3-3システム。直近の試合や代表ウィークで怪我人も出たが現時点でおそらくベストの布陣で臨むことができた。バレンシアは主とする4-4-2の構成で1位ユーべに挑んだ。

 

スターティングメンバー

Juventus                                    

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スターティングメンバー

           

https://twitter.com/juventusfc より引用

 

試合展開

立ち上がりは両チームとも目立つようなミスもなく安定した入り方ができていた。基本的にバレンシアの守備形成がしっかり4-4-2のブロックができていて、まるで普段のユーべのディフェンスを見ているかのようだった。

 試合はゴールが生まれるまで、引いて守備のブロックをきっちり作るバレンシアに対してユーべがどう崩すか。またバレンシア側はボールを奪ったときカウンターで一矢報いることができるかどうかといった展開が繰り広げられた。

  ユーべは基本的にボールを保持し、2枚のCBのうちどちらかがボールを持っていたらサイドバック(主にカンセロ)を外にかなり引っ張らせて幅と高さを取り、2-5-3のような形でビルドアップ。CB2枚と中盤のピアニッチやベンタクールでボールを動かしたり、ディバラが前線から下りてきて受けるような動きもあったが、バレンシア基本的に噛みつかず4-4-2の4-4ラインを簡単に崩さない。      

 そうなると結局サイドからのクロスや後ろからのロングボールに頼るしかないがなかなか決定的な場面が作れない。ユーべは崩しの最後の一手、精度に欠けていた印象だった。その証拠にユーべは前半のなかばあたりから立て続けにボックス内でファールをアピールする選手が多くみられやや見苦しかった(笑)

  バレンシア守備はよかったものの、カウンター時の速攻の組み立てがイマイチだった。せっかく高い位置で奪ったのに縦にいくのではなく、横に預けたりしてスピードダウンしてもったいない場面がいくつかあった。ユーべの攻→守に変わるトランジションは一級品だ。少しでもディフェンスの再構築する時間を与えようものならユーべ相手にカウンターを決めるのは難しいだろう。

 第一のターニングポイントとなったのは前半終了間際のバレンシアのCKだろう。あれはシュチェスニーに救われた。もし決められてたら試合の展開はずいぶん変わったものになっていた気がする。

 後半は開始時に両チームの一人ずつの選手交代があった。アッレグリは左SBのアレックスサンドロに代えてクアドラードの投入。クアドラードが右SBに入り、カンセロは左SBに。マルセリーノは2トップのうちの1枚である、ロドリゴを下げガメイロを投入。

 この采配でユーべ側には前半になかった、左サイドでのカンセロのオーバーラップやカットインによる攻撃が生まれ、かつクアドラードがいるおかげで右サイドからも突破できるポテンシャルを維持した。両サイドバックをWBの位置までおもいっきり張らせて、前半と変わって2枚のCBに1枚のMF(右サイドにボールがあるときはベンタクール、左のときはマテュイディ)を加えた変則的な3-4-3に近い形でビルドアップ行っていた場面も見られた。

 一方、バレンシアは後半から投入されたガメイロの投入により、1.5列目に下がって受ける彼の動きがバレンシアのボールポゼッションを向上させたように感じる。

 そして後半59分ごろに試合が動く。アッレグリの采配により左サイドに移ったカンセロのカットインが堅牢な相手DFラインを崩し、ロナウドがデュエルするためのスペースを確保。そのロナウドが仲間からもらった最大限の見せ場を活かし、マンジュキッチへのゴールをお膳立て。 

 

 ユーべのゴール直後、バレンシアはディアカビの神の手によって相手のゴールネットを揺らすといった珍プレーはあったものも、審判が笛を鳴らしゴールには至らず。

 その後バレンシアはゴールを奪うために攻めに出るが、むしろユーべのカウンターの良さのほうが目立った。追加点を期待できる勢いだったがけっきょく追加点には至らず、マルセリーノ監督も交代カードすべて使い切り、万策尽きたのか最後までユーべからゴールを奪うことはできなかった。

 

感想

リアルタイムで視聴していたけどバレンシアの守備があまりにもしっかりしてたから、点がいつ入るのかわくわくしながら見てました。点がなかなか入らない試合にある独特な緊張感も相まって前半終了間際のあのCKは本当に怖かった。シュチェスニーさすがです!個人的なMVPをあげるとしたらカンセロかマンジュキッチかな~。マンジュキッチはゴールも決めたし、なにより守備するときすごい深くまで下がってたし、ボール奪取も数回あった気がする。あとボヌッチほんとすげー。ロングフィードやくさびの精度といい、前半なかなかゴールできずに堪りかねたのか、ほぼ最終ラインから自らダイナミックなダイアゴナルランからヒールだか足裏でスイッチしてチャンス演出したのは鮮やかだった。

 前線の選手よ、これくらいやってくれやと言わんばかりのプレー