セリエA 第34節 Juventus VS. SS Lazio
◇結果
Juventus(H) ー SS Lazio(A)
2-1
51min バストスのハンド(PK獲得)→ロナウド(PK成功) 1-0
54min ディバラ→ロナウド 2-0
83min ボヌッチのハンド(PK献上)→インモービレ(PK成功) 2-1
◆スタメン
Juventus
GK シュチェスニー
DF クアドラード、ボヌッチ、デリフト、アレックス・サンドロ
MF ラムジー、ベンタンクール、ラビオ、
※太字は前節から引き続きのスターティング選手。
交代
57min ダニーロ&マテュイディ IN ラムジー&ドウグラス・コスタ OUT
89min ルガーニ IN ディバラ OUT
SS Lazio
GK ストラコシャ
DF バストス、フェリペ、アチェルビ
MF ラッツァーリ、セルゲイ、カタルディ、パローロ、ジャヴァン・アンダーソン*1
※太字は前回対戦時(第15節アウェイ時)の同様にスターティングの選手
※読み方が分からない選手は英語表記(すみません)
交代
66min ボビー・アデカニエ&デニス・ヴァヴロ IN カイセド、ジャヴァン・アンダーソン OUT
75min アンドレ・アンダーソン IN カタルディ OUT
89min ルカ・ファルボ&ラウル・モロ IN フェリペ、ラッツァーリ OUT
◇試合展開
【Lazio コーナー獲得】6分ごろ:ロングボールをインモービレが左サイド前線で収め、溜めを作っている間にボックスに侵入したカイセドにパス。カイセドはシュートを放つもボヌッチがブロックし、Lazioはコーナーを獲得。
【Juve 枠内シュート】7分ごろ:ドウグラス・コスタがミドルレンジからカットインからのシュート。ストラコシャが正面でキャッチング。Juve1本目の枠内シュート(のはず)。
【Juve ポスト直撃】11分ごろ:ロナウドが空中戦の競り合いでゴールからおよそ40m?くらいの位置でファウルを受けFK獲得。ディバラが蹴り込んだクロス性のボールをセルゲイが頭で弾くも、クリアが甘くなり大外にいたデリフトがそれをダイレクトで中に折り返し、最後はアレックス・サンドロが頭で合わせるが右ポストに弾かれる。
【Arrow's Pickup!】19分ごろ:クアドラードのスローインを受けるがディバラが背後からカタルディのタックルを喰らいファウルを受けるシーン。一見なんの変哲もないシーンだが、ディバラは直前の数プレーの間、執拗にカタルディにマンマークについており(画像参照)、そのフラストレーション、イライラがカタルディのファウルとして形に出た、もしくはファウルを誘えたことによりそのフラストレーションを増幅させたのではないと推測する。
【Juve ロングカウンター⇒枠内シュート⇒CK】35分ごろ:セルゲイがJuve陣内でボールコントロールをミスったとこをラビオが突っついてボールを取り返す、そのままアレックス・サンドロが前線に張ってたロナウドへ縦につける。その間に起点となったラビオは前線にロナウドをインナーラップして追い越すと、ボールをもらって持ち前の推進力で一人、二人とLazioディフェンダーを置き去りにしてボックス内でシュート。ニアに襲い掛かった強烈なシュートはストラコシャが弾き、JuveはCKを獲得。ドウグラス・コスタが蹴り込んだボールに対してロナウドが頭で合わせるも、惜しくもゴールの右に外れる。
【Lazio ポスト直撃】43分ごろ:アチェルビが前線に張っているカイセドにロングボールを送る。ボヌッチが競り勝ち、Juveが一度はボールを奪い返すも、その後のLazioの猛プレスの包囲網に捕まる。最終的にショートカウンターの形となり、インモービレのシュートが左ポストを叩く。
【Juve 枠内シュート】46分(後半)ごろ:右サイドのアタッキングサードの入り口(ゴールから30mくらいの位置)のハーフスペースかつ、Lazioの中盤とDFラインの間という絶好の位置でボールを受けたディバラがそのままドリブルでボックス内に侵入し、中にいたロナウドへ短いパスを送るもGKストラコシャと交錯してしまい、不完全な状態で放たれたボールはゴールラインを割る前にクリアされてしまう。
【Juve 先制ゴール!】51分ごろ:ロナウドがルーズボールを左足でダイレクトシュート。バストスがこれをブロックするがハンドを取られる。JuveはPKを獲得し、ロナウドはゴール右下にPKを決める。
【Juve 追加点!!】54分ごろ:敵陣内でボールを回して遅攻を試みていたLazioだったが、アチェルビからパスを受けたルイス・フェリペがディバラ&ロナウドから猛プレスをかけられ最終ラインにいながらボールをかっさられる。ディバラはドリブルでそのままボックスまで独走し、最後は並走していたロナウドとGKストラコシャに対して2v1の圧倒的有利な状況を作りロナウドへお膳立てのパス。ロナウドはこれを難なく決め、追加点をあげる。
【Juve 交代&配置変更】57分ごろ:RWGに入ってたドウグラス・コスタとRIHに入ってたラムジーを下げ、ダニーロとマテュイディを投入。この際、RSBだったクアドラードをRWGまで上げ、RSBにダニーロ。ラビオを右のインサイドハーフに配置転換して、左のインサイドハーフにはマテュイディを配置した。サッリにしては珍しく守備的なカードを切ってきたように思える。
【Juve バー直撃】65分ごろ:ボヌッチのロングボールを処理し、ルーズボールを収めようとしたカタルディのとこでベンタンクールがハイプレスをかけてボールを強奪し、そこからショートカウンター発動。左のハーフスペースでボールを受けたディバラがドリブルでバストスを剥がし、左足でクロスをあげる。ロナウドがこれを頭で合わせるがバーに嫌われる。
【Lazio PK獲得⇒ゴール】81分ごろ:左サイドのアチェルビ?がアーリークロスを蹴り込むと、中途半端な対応を取ったボヌッチがボックス内でインモービレと交錯し、ファウルを取られてしまいLazioにPKを献上。インモービレが左下に決め、PK成功。
【Juve 交代】89分ごろ:ディバラを下げ、ルガーニを投入。いわゆる守備固めのカードを切る、サッリ。非常に珍しい。
◆感想
サッリの解答、対Lazioプランとは
Juveは基本形433の引いて守るときはドウグラス・コスタとディバラに一列下がって、もらって主に4411を形成。単刀直入に言うと、サッリのLazioに対する解答はここにあったと思う。
リーグ第15節やスーペル・コッパ時の敗戦時は、MFルイス・アルベルトの支配力、FWホアキン・コレア、インモービレの曖昧なイヤらしいポジショニング、RWBルリッチの取る幅と高さにより中盤を厚くされ、Juveはスカスカの守備陣形でそれを迎える形を取ってしまい手こずっていたように感じた。
そこで、今回ははっきりとディバラにディフェンスに加わる役割(主にカタルディに対するマンマーク)を与え、中盤の守備に厚みを持たせていた。ただ大前提としてボールを支配することが第一プランだったように思える、それはマテュイディよりラビオを採用していたり、ラムジーを起用してることから伺える。実際、ラビオーベンタンクールーラムジーの中盤にディバラ、コスタがボールに関わってる時間帯はボールの循環と保持ができていたように思う。
つまり、サッリのプランは【中盤3枚+ディバラ、コスタでボールとゲームを支配する(敵陣でプレイする)】⇒【ボールを失い、自陣に押し込まれたときはディバラとコスタに下がってもらう】であり、それが今回示した、サッリなりの解答であったように私は考える。
Lazio良いチームだなっていう話
このホームでの勝利でなんとか同チームに対するシーズン3敗はなんとか免れた形となったJuve。とは言え、時の運というのもかなり働いてたように思える。今季アシスト量産機となっていたルイス・アルベルトや潰し屋件アンカーのルーカス・レイヴァ、インモービレの相棒、ホアキン・コレア、キャプテンも務めるRWGBながら攻撃センスも光るルリッチら抜きのゲームとなった試合だったので、贔屓目抜きにみてもメンツ的には明らかにJuventusに分があっただろう。
主力が欠けたなかでの大一番となったLazioだったが、控えメンバーでも3バックを基調とした4バックにも5バックにもなる変化自在の守備システムは健在だったし、2失点を見ても、不本意なハンドと組織的というよりは個人的なミスによる失点だった。攻撃のインパクトにはたしかに欠けたが、要所でバストスを活かしたパワープレイなども見られたし戦術的に柔軟性があるなぁと感じた。またベストメンバーのときのLazioとの試合が観たいものです(そのときはどうかお手柔らかにお願いいたします)。
*1:初先発おめでとうございます