監督の言葉 Massimiliano Allegri篇①

筆者がJuventusの試合を観るきっかけとなった監督、Allegriが地元紙Corriere della Seraのインタビューに応じていて、内容がとても興味深そうだったので備忘録的にまとめてみた。なお、筆者はイタリア語には疎いのでイタリア語(原文)→英語(翻訳)→日本語(翻訳)という過程で原文の記事をなんとか自分なりに読み解いて要約してみた。

 

 

Q1.外側からカルチョを見てどう感じる?

Allegri :特筆すべきことが2点ある。一つめはアフリカ人選手の存在がカルチョをよりフィジカルなものに変化させていること。二つめは、カウンター攻撃の再来を評価していること。

 

Q2.カウンター攻撃?

Allegri:そうだ。我々はグアルディオラのことを誤解していたんだ。彼のカルチョは誰にでもできるものではなかった。偉大な時代を築いたバルサは3人の偉大な選手によって、相手を敵陣に収め込み、中盤の上下を駆使し、最終ラインをハーフラインまで押し上げた。それを可能にするにはイニエスタシャビそしてメッシが必要なんだ。

 

Q3.それでカウンター攻撃というのは?

Allegri:この話題は非常に繊細なものだ。サッキがボールを保持し積極的な姿勢を持つことを語るのを聞いているとウンザリする。というのも私が感銘を受けたサッキのカルチョというのは、サン・シーロレアル・マドリー相手に5-0で勝利したときのようなカルチョだからだ。あのときマドリーが緩やかにボールを回してる一方で彼はまっすぐに縦にプレイしたんだ。あれは縦型のミランだった、まさにカウンター攻撃だったんだ。そしてそれは簡単にできるものではないが、上手く行けばスペクタクルなものだ。

 

Q4.クロップのカルチョについてどう思う?

Allegri:基礎的な部分は真に現代的なカルチョと言えるだろう。それは3枚のFWで継続的にDFラインにプレスをかけ限定したエリアに閉じ込めるものだ。そしてそれはシュートを打つ機会を継続的に与え、サイドのスペースを求めるのではなく相手の後ろのスペースを狙う。このようなプレー原則が発明されたことをなぜ我々が恥じないといけないのか私には全く理解できない*1。引き分けの価値が勝利の半分だったころに、引き分けを狙って自分たちの守りを固めるのが一理あったように、守備フェーズから攻撃を導き、スペースの解釈を変えるというのもまた一つの方法なのだ。

 

Q5.他になにか興味深い発見は?

Allegri:選手の重要性と監督の真の役割だ。

 

Q6.真の役割とはどういうことですか?

Allegri:スキームなんて存在しない、人工知能なんて存在しない。大事なのは監督自身の目だ。1月からベンチにタブレットが設置されるらしい。曰く、最も頻度の高いパスが分かるんだそうだ。何をするためにタブレットを置く?私が直前にすでに見たものを一文に要約するためだ。カルチョはフィールドでの話であって、宇宙での話ではない。必要なのは日曜日に作法が分かっていて仕事ができる監督だ。その日、技術者になればいいんだ。そこから先は選手次第だ。選手の多様性にかかってる

 

Q7.カルチョのシンプルさと役割の論理とはどういうことですか?

Allegeri:例をあげよう。クリバリ、マノラス、アルビオル。私もよく尊敬するアンチェロッティによって鍛錬された偉大な3人の選手だ。中央の教授は技術的特性の高いアルビオルだ。状況を読む力に長けていて、行動を進行させる直観もあった。クリバリはフィジカル的な側面では並外れていた、他の側面では劣る。マノラスは対人能力に置いては優秀だったが、集団的なアイディアではクリバリより劣っている。つまり、私のなかでカルチョとは「これ」を理解することだ。個々の特性を理解し、特定のシチュエーションに適用させることだ。選手と選手を統合させ、完成させること。これは数字やタブレットアルゴリズムが教えてくれるわけではない。

 

Q8.今、(カルチョに)足りないものは?

Allegri:監督だ。我々は長い間直観で生きてきたが、今はそれを構築するときだ。監督を生業としてるものがガッリアーニやマロッタが自分の側につくかどうか考えるのは無駄だ。以前にも言ったように、未来に向けてオープンとなり、新たなリーダーが必要なんだ。今はリーダーがいない。リーダーがいなければ後が育たない。名を挙げるとしたらリッピカペッロだ。彼らはすべてを成し遂げたがまだ若い。仲良しごっこはもうたくさんだ。実際、ビッククラブは誰に監督を任せていいのか困惑している。彼らに助けてもらうためにも本気でお願いするべきだ。

 

Q10.代表が調子をあげてきましたけど、それについては?

Allegri:この前サルサーノ*2会ったので、マンチーニにおめでとうと伝えてくれと言っといた。彼は素晴らしい仕事をしてる。なぜか分かるか?

 

Q11. どうしてですか?

Allegri:たしかに彼はずっと素晴らしかったですが、今の彼は別人です。より厳しく、真剣になりました。

 

Q12.昔は違ったのですか?

Allgeri:しかし、もちろんそうだったのですが、今は変わりました。彼はみんなとカルチョについて話し、そしてシンプルにプレイします。彼はマエストロである一方、我々は教授の世界なのです。

 

Q13.例えば?

例えではなく、実際の思い出を紹介しよう。今年の夏、ガレオーネとジャンパオロと会ってカルチョについて意気投合していたときだ。私はジャンパオロにこう言った。『マルコ、アドバイスをやるわけではないが一つだけ言わせてくれ。君はミランにいるんだ。誰もがミランで指揮を執れるわけではない。チームを人気者で固めるな、それは結果として君を2つに分断することになるだろう。ふざけることのできるスタジアムではない。セントラル・ミッドフィルダーが欲しいのか?言っておくが、それはスソではない。しかしスソは偉大な選手だ。統合して適応させるんだ。カルチョはみんなのものだ。望んでいるレジスタがいないなら、2枚のセントラル・ミッドフィルダーを使うことは避けられないはずだ。』と。重要なのは選手のクオリティであって、監督の能力に関係なくそこは妥協してはならない。そしてその点こそが我々、カルチョの問題点なのだ。

 

 おしまい。

 

ソース:

www.corriere.it

 

*1:おそらくボールを保持することを美学とする連中に対するイヤミ?

*2:イタリア代表監督マンチーニコーチングスタッフの一人

セリエA 第14節 Juventus VS. UC Sassuolo

◇結果

Juventus(H) ー UC Sassuolo(A)

2-2

 

20min ベンタンクール→ボヌッチ   -0

22min カプート→ボガ 1

47min カプート 1-

68min ディバラPK獲得ロナウド(PK)  

 

◆スタメン

Juventus

GK ブッフォン

DF クアドラードボヌッチデリフト、アレックス・サンドロ

MF ベンタンクールピアニッチエムレ・ジャン、ベルナルデスキ

FW イグアインロナウド

 

太字は前節から引き続きのスターティング選手。

 

交代

53min ディバラ IN ベルナルデスキ OUT

54min マテュイディ IN エムレ・ジャン OUT

79min ラムジー IN イグアイン OUT 

 

 

UC Sassuolo

 

GK トゥラーティ*1 

DF トリアン、ロマーニャ、マルロン、キリアコプロス

MF ボガ、Magnanelli、ロカテッリ、ジュリチッチ、トラオレ

FW カプート

 

※読み方が分からない選手は英語表記(すみません)

  

交代

62min ダンカン IN トラオレ OUT

72min ミュルデュル IN ジュリチッチ OUT

90min ペルーゾ IN ボガ OUT 

 

◇試合展開

Juveはいつもの4312。スタメンの変わったところと言えば、LSBアレックス・サンドロがスタメンに復帰。ブッフォンがスタメン。そしてエムレ・ジャン第9節Lecce戦以来のLIHでのスタメンとなった。

Sassuoloは442≒4411(2もしくは11の部分はカプートとトラオレ)の守備陣形をベースに、ビルドアップが完了しJuve陣内に攻め込むと両SHと両SBを一列上げた2431のような形を取っていたように見える。

Juveは6分40秒ごろに自陣からのポジティブトランジションからチャンスを作ったり、15分にはベンタンクールの敵陣でのボール奪取から決定機を作り出すも、ボックス内で待ち受けていたエムレ・ジャンが痛恨の空振り。

Sassuoloはゴールキックからのビルドアップが非常に特徴的で自分らのスタイルをJuve相手に貫いたことに関して言えば一定の評価もできるし、それなりに機能していたように思える。しかしそれがあまり効果的だったとは思えない。

試合は20分になると一気に動いた。クアドラードが右サイドで幅と奥行きを取ったポジショニングを取ってベンタンクールからボールを受けたことで、相手のDFラインをゴール前まで深くに押し込んだ。そこでスペースが生まれたバイタルエリアに走り込んできたのがまさかのCBボヌッチ、そのままトラップして迷いなく振り抜いた右足で放ったシュートはディフレクションも相まってゴールに吸い込まれた。

そのわずか2分後、JuveのCKを処理しトラオレの運びとサイドチェンジを駆使したロングカウンターから、最後にはワンツーでJuveの最終ラインを抜けたボガのメッシ顔負けの鮮やかなループシュートでSassuoloは同点に追いつく。

後半開始早々SassuoloはJuveの最終ラインでのパス回しからの連携ミスを突き、カプートが逆転弾を決める。

50分には左サイドで幅を取っていたエムレ・ジャンからボックス内にグラウンダーのクロスが送られも、イグアインはうまく合わせられず、トゥラーティにセーブされてしまった。

54分ごろにはサッリは立て続けに2枚の交代枠を使い、ディバラマテュイディを投入。2トップのロナウドイグアインを残してのディバラ投入となった。

60分にはディバラのスルーパスからロナウドが裏抜けて、そのままGKと1v1の場面を作りネットを揺らすも、オフサイドで取り消し。

そして66分にはディバラが左のハーフスペースからボックス内に侵入したとこでファウルを受けPK獲得ロナウドが落ち着いてこれを沈め、Juveは同点に追いつく

72分にはSassuoloはMFジュリチッチを下げ、DFミュルデュルを投入。守備の強度を上げ、引き分け狙いの意図か。87分には途中で入ったラムジーの惜しい枠内シュートもあったが、GKトゥラーティはこぼしながらも、なんとかゴールラインを割る前にボールを回収。

結局、Sassuoloが耐え凌いだという形で、Juveはホームで引き分けることとなった。 

 

 

 ◆感想

一時逆転を許すも、ロナウドのPK弾により追いつく!

Sassuoloの18歳GKトゥラーティは鮮烈デビュー!

 

 

 ・めんどくせー(誉め言葉)!!!デゼルビ流、ゴールキックからのビルドアップ。

なんなんだこの監督は!ゴールキックからどんだけ組み立てるんだこのヤロウは!まったくけしからん。世間を席巻したペップバルサならいざ知らず、プロンビンチャのそのへんでチャント歌ってそうなサポーターみたいな風貌をした監督が、仮にもイタリア王者相手に己の美学を押し付けてくるんだから、よほど強い心臓をお持ちなのは確かなようだ。

今回は何度も目にした、Sassuoloのゴールキックのシーンについて少し考えてみようと思う。まずは以下の画像をご覧ください。

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Sassuoloゴールキック時の基本セット(7:40)

 もしかしたら漏れてるかもしれないが、自分の目で確認した限りでは計6本のゴールキックがあった。基本セットはだいたい上の画像の通りで、GKトゥラーティの脇にCB2枚を配置させ、WアンカーのMagnanelliとロカテッリを加えて2,4,63,73,19の5枚のユニットでW字のようなセットをゴール前に配置。

Juveの選手たちはルール上、オンプレーになるまでボックスには侵入できない。GKトゥラーティのキックに合わせてよーいドンで全力プレスをかけても、2トップ+トップ下1枚の3枚ではすべてのパスコースを消すことは難しそうだ。それに大外のレーンには両SBは幅を取って『逃げ道』を確保している。

そして6回のゴールキックを観察してみるとSassuoloの狙いが、画像でいう黄色いエリアにボールを届けアクションを起こし、最終的に本命のカプートorトラオレまでボールを届け、敵陣に侵入することのように見えた。

以下、6つのケースを発生時間ビルドアップサイド(Sassuoloからみて左、中央、右)、結果でまとめてみた。

 

①7:40(左)

黄色いエリアで数的同数(4v4、解釈次第では3v3)を作るも、最後はジュリチッチ(#10)のパスミスでボールを奪われる。Juveは逆にショートカウンターで枠内シュートまでいく。

 

②8:40(左)

キリアコプロス(#77)が黄色いエリアにロングボールを供給。カプートがそれを収め、ジュリチッチ(#10)、トラオレ(#23)を経由し逆サイドに展開しビルドアップに成功する。最終的にアーリークロスによるシンプルな攻めでJuve、ボックス内まで侵入する。

 

③15:40(右)

ロマーニャ(#19)が右サイド側の黄色いエリアにボールを供給。ピアニッチが頭で競り勝つ(よくやった!)。Juve最終ラインから仕切り直し。

 

④31:20(左)

ボックス内のワンツー(狂ってやがる)で前進したマルロン(#2)が黄色いエリアのワイドな位置に幅を取っていたキリアコプロス(#77)にパス。多少グダるが、その後縦につけて左サイドからビルドアップに成功する

 

⑤73:00(左)

同点に追いつき勝負を決める追加点欲しさからか、はたまたSassuoloのビルドアップに嫌気が差したのかは分からないが、Juveはこのときのゴールキックのときは守備の配置をより高く設定した(画像参照)。

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73minのシーン

①のケースと比べて分かる通り、ピアニッチとベンタンクールの位置がより高く、はっきりとしたマンツーデイフェンスになっているのが分かる。しかし、前に二人のCMFとRIHを配置したせいで、トップ下のダンカン(#8)が完全にフリーとなった。ダンカンはこのあと黄色いスペースに走り込むが、マテュイディはこのとき混乱したに違いない。「え?おれ左から2つのレーン、せいぜい中央レーンまでのスライドじゃないのかと。誰が見んねん、そいつ!」と。あえなくスペースと人を利用されてゴールキックからカウンターのような状況を再現されてしまう

 

⑥78:50 (中央)

 ディバラのナイスプレス(ワンサイドカット)により、パスコースを限定されたマルロン(#2)はロングボールでビルドアップを放棄。一応Magnanelli(#4)へのパスコースは空いてるように見えるが、さすがに時間帯も考えてのリスク管理と見ていいだろう。

 

特に⑤のケースは疑似的なカウンターの状況が仕上がってて、改めてみると驚いた。もし、Sassuoloにムバッペとかのスピードモンスターがいたらあのままぶちぬかれてたに違いない。ぜひ、このブログを読んだ方で試合を観れる人は、以上のデゼルビSassuoloゴールキックコレクションを見てみてほしい。

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この状況はカウンターからのスタートではなく、ゴールキックからのスタートでした。分かるかッ!!!

 

・おわりに

なんだかデゼルビ監督のゴールキック特集みたいになってしまって癪だが、仕方ない。Juventusのホームで引き分けたのだ。リスペクトを込めて相手監督を特集してもいいじゃないか。インテルに首位奪還されたし、来週はノリノリのラツィオとの2位、3位直接対決だし。Juveにとっては正念場ですね。昨季は申し訳ない感じでラツィオに勝ってしまったので超警戒ですよ。アタランタと同等レベルの難敵だと思うので。頼むぞJuve

*1:セリエAデビュー。おめでとう!

UEFA Champions League 第5節 Juventus VS. Atletico Madrid 

◇結果

Juventus(H) ー Atletico Madrid(A)

1-0

 

45+1min ディバラ(直接FK)   -0

 

 

◆スタメン

Juventus

GK シュチェスニー

DF ダニーロボヌッチデリフトデシリオ

MF ベンタンクールピアニッチマテュイディラムジー

FW ディバラロナウド

 

太字は前節から引き続きのスターティング選手。

 

交代

63min ベルナルデスキ IN ラムジー OUT

76min イグアイン IN ディバラ OUT

86min ケディラ IN ベンタンクール OUT 

 

 

Atletico Madrid

 

GK オブラク

DF トリッピア、フェリペ、エルモソ、ロディ

MF サウール、エレイラ、パーテイコケ

FW モラタ、ヴィトーロ

 

※太字は前回Juveと対戦時と同じスターティング選手。

 

交代

54min J・フェリックス IN ヴィトーロ OUT

60min コレア IN エレイラ OUT

64min ルマー IN ロディ OUT 

 

◇試合展開

両チーム怪我人で数名の主力選手を欠く状態での対戦となったが、客観的に見てもヒメネスサビッチの両CB、そしてFWのジエゴ・コスタを欠いている状態に加えて、Juveはグループ突破が決まっていてホームゲームという心理的要素を踏まえても、Atleticoにとってはかなり厳しい状態での試合になったように思える。

両チームの布陣は、4312のJuveに対して、Atleticoはシメオネお馴染みの442だった。試合の立ち上がりこそは、あまりボールが落ち着かなかったものの、Juveが最終ラインからビルドアップする時間が増えてくるとAtleticoの守備セットが徐々に明らかになった。それは442に構えつつもも、JuveのSB(右:ダニーロ、左:デシリオ)にボールが入ったときにAtletico442の両SH(右:サウール、左:コケ)が対応し、サイドでは442が433のようなセットに変化するというものだ。そして後述するがこれが実に機能美にあふれた守備体系を成していたように思える。

Atleticoは上の守備がハマったときに発生するサイドでのショートカウンターやサイド攻撃からのクロスなどによりチャンスを作っていた。Juveはいつもよりピッチをワイドに使っていた印象が強く、デシリオのワイドに張るポジショニングがそれを可能にさせていたように思える。そしてJuveは前半終了間際にディバラの直接FKにより先制。

後半も前半と似たような展開が続くが、アトレティコは3人目の交代枠を使ったときの大幅なポジションチェンジなどを行っていたのは印象的だった。66分にJuveのベルナルデスキはカットインから左足で強烈なシュートを放つが右ポストを叩き追加点を逃す。どうしても点の欲しいAtleticoは、左サイドでボールを溜めて、右サイドのアイソレーション*1を利用したRSBトリッピア頼みという単調な攻撃になっていたように感じた。試合終了間際にはAtleticoに決定的な場面が訪れるが、FWモラタがこれを物にできず結局1-0で試合終了。Juveはグループ最終節を残して1位通過を確定させた

 

◆感想

CL16強へ1位抜けを決める、

La Joyaの魔法仕掛けのバズーカFK炸裂!!!

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新たな決めポーズで祝福!

 

・Atleticoの守備体系に見る、ディエゴ・シメオネの狙いとは

フットボールにおいて、『やれあの監督の狙いはあーだこーだ、やれあのチームはこうしたかったに違いない』などと言うように選手や監督、チームの(知る由もない)考えや作戦を推察したり議論するのは大いに楽しいものである。

というわけで今回はAtleticoのディエゴ・シメオネ監督の心の中を勝手に暴いてやろうじゃあないか!(合ってるかは知らん、シメオネに聞いてくれ)。

結論から言うと、試合を観ている途中でふとこんな命題を思いついた。【シメオネはJuveのSB陣に照準を定めているのではないか??】、照準を定めるなんて周りくどい言い方はヤメにして、端的に表すとシメオネは今回の対戦においてJuveの弱点は両SBにあると考えていたのではないかということだ。

私がそう考えた理由は主に2つある。

①JuveのSB陣の構成的な問題

②Atleticoの両SHのプレッシング

の2点だ。①に関しては、地元紙のほとんどが予想していたとおり、『異端児RSB』、クアドラード先発をシメオネも想定していたのではないか?と自分は思う。というか自分もクアドラードが先発だろうなと思っていたくらいだ。正直に言え!誰がダニーロ先発で来ると思った⁉しかし、ふたを開けてみれば先発の座は『正統派RSB』ダニーロだったのである。

多くの人も同意してくれると信じているが攻撃センスはすでにクアドラードに分があると思っている、守備の面に関しては向上は見られるものの元々ディフェンスの選手じゃないということもあって、特にクロス処理が明らかな弱点になっている気がする。対してAtleticoと言えばクロスの名手トリッピアクアドラードの対角にいる始末であるクアドラードのとこにトリッピアのクロスがバンバン飛んでくるなんて冗談がキツい。サッリはこの部分を懸念してダニーロを今回を採用したのかもしれない。本当に妄想通り駒選びから勝負が始まっていたとしたらアツい....。孫氏曰く、勝敗はすでに戦う前から決しているのだというし、ありえる話だ。

そしてLSBは言わずもがな、圧倒的対人守備スキルを誇るアレックス・サンドロの負傷離脱によるデシリオ先発である。個人的にデシリオの能力を低く見積もっているつもりは全くないが、出場試合数から見てもサッリ的には2番手になっているのは事実だ。その点をシメオネが『アレックス・サンドロがでてくるよりかははるかにマシだ、狙いどころだ』と考えたとして不思議ではないだろう。

そして理由②Atleticoの両SHのプレッシングについては画像を交えながら説明していこう。まずはいかの画像を見て頂きたい。

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11:30ごろのシーン。中盤の選手であるコケがRSBダニーロにプレスをかける

試合展開の部分でも述べた、機能美にあふれた守備とはこのことである。4→19→13ダニーロとパスが回ってきた11:30頃のシーンはほんの一例でしかなく、他のシーンでもたくさん、LSHコケ VS. RSBダニーロをしているときに逆サイドのRSHサウールがLIHマテュイディに対応しているのが分かるとおもうので、興味のある方はぜひみてほしい。

このあとダニーロはパスコースが消されて手に詰まり、GKシュチェスニーを一度経由してLSBデシリオまでサイドチェンジをする。それが以下のシーンである。

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右サイドにわたったときのAtleticoの対応。

さきほど、マテュイディをケアしていたRSHサウールLSBデシリオにボールが渡ったときにすぐさまプレスをかけにいく。このときのラインはもはやモラタと横に並ぶくらい高いのである。これは設定しているプレスラインが高い証拠であるとも言えるのではないか。実際、デシリオはここでマテュイディに通そうとするも後方に構えていたトリッピアに完全に狙われていて潰され、そのままショートカウンターでシュートまでもっていかれブロックの末、CKまで繋がるのだ。

以上の理由・根拠から、シメオネが今回Juve戦では両SBをターゲットにしてきたのではないかと私は考えた。どうっすか?シメオネさん?

 

・【第1回】Is This Sarri-ball? ~教えて!サッリおじさん ~

そしてサッリ体制になっておよそ20試合弱、そろそろこの還暦ヤニ厨こと、サッリさんの哲学(≒サッリボール≒サッリズモ)も覗いてみようじゃないかということでこういったコーナーも作ってみました。定期ではないです。都度それっぽいシーンを発見したらとりあげてみようかなと。

いつぞやの公式会見のインタビューで我らがサッリ監督が語っていた『正直言うと”サッリズモ”については良くわからない。読んでもみたけどワシには分からなかった。私は経験によって変化してきたが固い信条をもってコンセプトは変わらずにいる。』という変わらないコンセプトについて追及していくつもりです。

 

このシーンは、 ロナウドとディバラの相手CBに対する猛プレスでCBにハイボールを蹴らせて,映像が示す72:38あたりでそのハイボールを頭で処理したデシリオからピアニッチに繋がったとこから一度も奪われずに26本のパスからなる一連の流れで繋がっているのだ。73:44にプレーが切れたとすると64秒もの間相手に一度もボールに触れさせることなく文字通り支配した。ボールを追いかけているつもりのルマーは知らぬ間に鳥かごの中の鬼状態になっていた。そして見事に釣られた。

私はこの一連のプレーの支配感、それも『ただボールを保持している』という状態ではなく、相手の心理(ここではルマー)を含めてゲームそのものを支配する、もっと言えば「自分の選手らにゲームを楽しんでもらう」という部分にサッリの哲学を感じたが、どうだろう?なんか楽しそうじゃない?

とまあ、締め方が分からなくなったので第1回Sarri-ball談義はこれでお開きとする(笑)

 

・おわりに

無事、CLのグループを首位抜け確定することができましたね!上でうだうだといつもながら長文を綴ってはいますが、結局ファンとしてはシンプルにこの結果が嬉しいです!!しかも、ひっさしぶりにディバラのFKゴール見れたし。17/18シーズン以来になるんじゃないですかね?

次回は日本時間12/1(日)20:30キックオフのホームでのSassuolo戦となります。DAZNでLIVE配信される予定みたいです。かなり見やすい時間帯で嬉しい限りですわ。

 

*1:片側のサイドに人を密集させ(=オーバーロード)、逆のサイドを孤立した選手を作ることを『アイソレーション(孤立)を利用する』と言ったりする。

セリエA 第13節 Juventus VS. Atlanta BC

◇結果

 

Juventus(A) ー Atlanta BC(H)

3-1

 

56min バロウ→ゴセンス  

74min ピアニッチイグアイン 

82min クアドラードイグアイン

91min イグアインディバラ

 

 

◆スタメン

GK シュチェスニー

DF クアドラードボヌッチデリフト、デシリオ

MF ケディラピアニッチベンタクールベルナルデスキ

FW イグアイン、ディバラ

 

太字は前回の試合から引き続きのスターティング選手。

 

 

交代

26min ラムジー IN ベルナルデスキ(負傷?*1 OUT

58min ドウグラス・コスタ IN ベンタンクール OUT

70min ジャン IN ケディラ OUT

 

 

試合展開

Juveの布陣は4312、前の逆三角形の面々は2トップにディバライグアイン。その下をベルナルデスキが支える布陣。

一方で、ガレオーネ門下のガスペリーニ監督率いるAtalantaは3CBでのマンツーディフェンスを基調とした352。中盤の両翼はウィングバックである。攻めるときは基本左サイドの"パプ"・ゴメスを主軸に展開していたように感じる。

試合は22分にケディラのハンドによりアタランタ側がPK獲得するも、普段控えの弱冠21歳のFWバロウがバーに当ててしまい絶好の機会を活かせなかった。Juveは前線のイグアインやディバラ、ベルナルデスキらがAtalantaのDF陣に封じられる時間帯が続く。

またAtalantaのトップ下パシャリッチが終始ピアニッチをケアしていたため、Juveの心臓も普段のパフォーマンス(パス本数)を発揮できずにいた。前半はGKシュチェスニーDFデリフトなどの活躍でか耐え凌いだ結果となった。また、汗かき役となってバランスを取るベルナルデスキの予期せぬ交代は、劣勢を強いられているJuveにとっては痛手だったように感じる。

後半は耐えてきたJuveDF陣のがんばりむなしく、56minには前半にPKを外した右サイドのFWバロウから大外に余っていたWBゴセンスの頭にクロスが届き、Atalanta先制。失点後、現状を打開するためか、サッリはトップ下ポジションにコスタを投入するもコスタですらインテンシティの高いAtalantaのマンツーディフェンスに手こずる。しかし、74min突如訪れたディフレクションによるイグアインの同点弾を皮切りに、82分には右サイドでRSBクアドラードのオーバーラップ上手く利用した攻めから逆転。果てには91分にJuveのロングカウンターからの攻めでダメ押しの3点目をディバラが決め試合に決着をつけた。

 

◆感想

曲者Atalantaの本拠地で、逆転勝利!

ピピータは圧巻のドッピエッタ&1アシスト!

 

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今季『新加入』のピピ&ジジ(笑)

・本拠地改修中のAtalantaのホームスタジアム

さて、代表ウィーク明け1発目の公式戦となった難敵Atalanta戦。しかも、改修途中の敵地スタディオ・アトレティ・アズーリ・ディターリアでのアウェイ戦となった。。実況の北川氏曰く、ネーミングライツも導入されGewiss Staduim(ジェイヴィス・スタジアム)という名前に。屋根などを敷設する改修工事は2021年に全行程が終わる予定だそう。

 

ガスペリーニ流3-5-2Atalantaの漢気溢れる守備原則

ガスペリーニ率いるAtalantaの守備の基本原則は1v1の高いインテンシティだろうチームスポーツでありながら『個』というか『デュエル』の部分をとことんこだわるガスペリーニの姿勢をピッチで体現するAtalantaの選手たち、特に3CBのトロイ、パロミノ、ジムシティの縦パスに対するアクションはかなり強烈なものだった。縦パスを受ける選手に対して果敢に前に出て、1stタッチのとこを徹底的に潰すというスタイルは、組織守備があたりまえとなっている現代のフットボールからするとどこか泥臭く、そして懐かしい漢気溢れる守備に感じた。今Juveにはその漢気溢れるカピターノがいないので余計そう感じるのかもしれない。

 

・アルゼンチン2トップによるゴールラッシュ!

ロナウド不在で輝いたのは、彼の不在だからこそ成立する2トップのアルゼンチンタッグだった。特にイグアインは2ゴール1アシストと直接的に関与。ここ4試合では4アシスト2ゴールと今月は絶好調。また、実はディバラも自身のダメ押しの1点以外の2点に関与はしている。ロナウドが調子を整えたあとのスタメン選びは何事もなく、ロナウドが「スタメン確約」状態となるのか、今後のサッリの贅沢な悩みを抱えることになるだろう。

 

・おまけ(4コマ)

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ディバラの横顔

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恐ろしく速い中指

 

 

*1:情報確認中)

セリエA 第12節 Juventus VS. AC Milan

◇結果

 

Juventus(H) ー AC Milan(A)

1-0

 

77min イグアインディバラ   -0

 

 

◆スタメン

GK シュチェスニー

DF クアドラードボヌッチ、デリフト、アレックス・サンドロ

MF ベンタクール、ピアニッチマテュイディ、ベルナルデスキ

FW イグアインロナウド

 

太字は前回の試合から引き続きのスターティング選手。

 

 

交代

55min ディバラ IN ロナウド OUT

61min ドウグラス・コスタ IN ベルナルデスキ OUT

70min ラビオ IN マテュイディ負傷交代) OUT

 

 

寸評

前回のCL第4節のLokomotiv(Away)戦よりまた大幅にメンバーの入れ替えを図ったて来たサッリ監督。中心軸のシュチェスニーボヌッチピアニッチロナウドイグアインの5名以外は入れ替えとなった。

これまでと同様にトップ下に汗かき役のベルナルデスキを配置し4312の陣形を構えてきたJuveに対して、AC Milanはほとんどの時間帯で4321の、いわゆるクリスマスツリー型の配置だった。守備時のセットはストライカーである、ピョンテクを1枚残し、残りの9名で432の布陣で守っていた。

特に前半の立ち上がりはAC Milan側のハイプレスがかなり印象的で、実際にJuveは自陣でボールを失って危険な状況に陥った場面がいくつかあった。その後、AC Milanはカウンターを軸に何度か惜しい場面を作るもシュチェスニーのナイスセーブなどによって防がれる。

Juve側の守備で目立ったのは、なるべく敵陣でボールを奪う姿勢だろうか。全体的に陣形をコンパクトに保ちつつ、相手のSB陣(LSBテオ・エルナンデス、RSBコンティ)にはベンタンクール、マテュイディを当てるといった動きがよく見られた。特にJuveからみて右サイドのベンタンクールとテオ・エルナンデスのマッチアップは多く、ベンタンクールは良い仕事をしていたように感じる。

試合は結局後半の77分までスコアレスで進行するものの、2試合連続で途中交代となったロナウドの代わりに投入されたディバラが狭い中央のスペースを仲間との連携で突破し、珍しく右足でのゴールで先制点をもぎ取り、それがそのまま決勝点となった。

全体的にAC Milanのポジティブ・トランジションを軸に両チームの攻守の駆け引きとシュチェスニーの好セーブが目立った面白い試合だった。

 

 

◇感想

途中出場のLa Joyaの一発が決勝点に!

シュチェスニーの好セーブも光り、

リーグ戦2試合連続クリーンシート!

 

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シュチェスニー好セーブ連発ありがとう!たまには写真を使ってあげたいよね

 

・グラッチェ、シュチェスニー

アリアンツ・スタジアムが完成してから一度もAC Milan相手にホームで負けてないとは言え、なかなか手こずりましたね~。パケタだかのヘディングシュートとかなかなか良いコース飛んでたのもあったし、被枠内シュートを7本打たれて1本もゴールラインを通さなかったのはなんとも頼もしいですな。

シュチェスニーは偉大なGKの跡継ぎとして昨シーズン、今シーズンと1stチョイスとしてゴールを守ってくれていますがTwitterとか見てても批判的な意見をほとんど見ないです。これって本当にすごいことだと思うんですよね。インタビューとかでも冗談交じりで自分が世界一だって言えちゃうくらい余裕もあります(笑)

国内リーグはブッフォンシュチェスニーでGKのポジションを回してる節がありますが、CLはシュチェスニーに限定されているので今後ますます頼りになるシーンが増えてくるかと思うので期待ですね!

 

ロナウドの交代で入ったディバラが決勝点!

ディバラがAC Milan相手に通算8点目となるゴール*1でチームを勝利に導いた。アシストがついたイグアインは3試合連続アシストとなり、やや低調でゴールを生むことができなかったロナウドは3試合ノーゴールとなった。このことから現在のJuveの2トップのスタメン争いになにか新たな風が吹き込むそんな予感がでてきた。事実上のスタメン確約状態となっていたロナウドだが、残り1枠を争うアルゼンチン人アタッカーがここにきて両者ともに好調だからである。これについては別記事でデータも交えつつ語りたいと思う。

 

・途中帰宅?のロナウド

特にロナウドは2試合連続の途中交代となり、今回は3枚の交代カードの内最も早い55分での交代となった。しかもベンチに寄ることなくそのままロッカールームに下がった(一説によるとそのまま帰宅したとさえ言われている)のだから、プロとしての正しい行動とは言えない。実際、似たようなシチュエーションで昨年ディバラも途中帰宅しており、後日、全体練習前にチームメイトに謝罪をした。たしか罰金などはなかったような気がするが、謝罪はしたのを覚えている。

プロのアスリートなら誰しも調子の悪いときはある、魔が差して誤った行動を取ってしまうこともあるだろう。しかし、そのあとの行動が大事のように思える。サッカーは一人でやるスポーツではない。何回バロンドールを受賞しようが、一人のプロとしての態度を示してほしいものである。キャプテンボヌッチ穏便に頼んだぞ!

 

・おわりに

またまた、お時間かかってしまいましたがなんとか更新。ブログやってると代表ウィークが良い休憩というか間になってくれますね。また、DAZNで配信予定の日本時間11/23(土)23:00キックオフ予定のAtlanta(Away)戦の前にも、『Juventusの2トップにおけるポジション争い』についてとりあげた記事を1本投稿するつもりですので何卒よろしくです。ではでは

*1:Transfermarkt調べ。パレルモ時代の2得点含む

UEFA Champions League 第4節 Juventus VS. FC Lokomotiv Moskva

◇結果

 

Juventus(A) ー Lokomotiv Moskva(H)

2-1

 

4min ロナウド(FK)、ラムジー(詰め)?   -0

12min ミランチュク 

 90+2min イグアインドウグラス・コスタ   

 

◆スタメン

GK シュチェスニー

DF ダニーロボヌッチ、ルガーニ、アレックス・サンドロ

MF ケディラピアニッチ、ラビオ、ラムジー

FW イグアインロナウド

 

太字は前回の試合から引き続きのスターティング選手。

 

 

交代

64min ベンタンクール IN ラムジー OUT

70min ドウグラス・コスタ IN ケディラ OUT

82min ディバラ IN ロナウド OUT

 

 

寸評

前回のトリノ・ダービーからメンバーを7人も入れ替えてきたJuve。おそらく出場可能であれば、クアドラードデリフトはスタメンのはずだったが、それぞれ出場停止軽い怪我で今回は招集外となった。トップ下にラムジー、左のインサイドハーフにラビオがスタメンに起用されたのも珍しいと感じる。Juveの基本陣形は4312。対する、Lokomotivは前回対戦の基本陣形532から442に変更したように見える。

Juveは試合開始直後にロナウドのFKにより幸先よく先制ゴールを決めるも、左サイドで上手くLSBリブスの上がりを絡めたLokomotivは、彼のクロスからすぐさま同点に追いつく。その後は基本的には1トップのエデルとトップ下のミランチュクを残す44やミランチュクを下げた45の守備ブロックを形成し、奪ったらロングカウンターという戦い方を徹底したいたように見えた。

Juveはサイド攻撃の要であるクアドラードが不在のため、通常より左サイドでの組み立てが多いように感じられた。

 

◇感想

コスタの⚡電撃的⚡フィニッシュで

CL16強、一番乗りを決める!

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モスクワノ地ニ稲妻走ル。

 

・劇的なフィニッシュでグループ突破決定!!!

まずは、途中出場のドウグラス・コスタあっぱれでした!結果的に後半コスタの凶器っぷりに助けられたアウェイゲームとなりました。17/18シーズンの後半戦でよくアッレグリが後半から投入して敵陣切り裂いてたころのキレッキレのコスタを久しぶりに見た気がします。イマイチ存在感を発揮できていなかったロナウドを下げる*1というサッリ監督の判断も、『イグアインポストプレーによるアシスト』という形で表れましたし、よくぞ判断を下したなと。

この勝利のおかげでグループステージの残り2試合アトレティコ戦、レヴァークーゼン戦)は順位決定には関わるものの、ある種の消化試合となりました。消化試合とは言え、負けていいということではなく選手らにかかる肉体的・精神的負担を軽減できるという点で素晴らしいことと言えるだろう。

 

・しかし、課題も浮き彫りに....

2試合残してのCL16強確定という結果が素晴らしいものです。これは疑いの余地がありません。しかし敢えて言わせてもらうと、このままではCL制覇は不可能だろう。不可能は多少大げさにしてもかなり実現が難しいように感じる。特にLokomotivとのここ2試合を見ても、勝負を決したのはディバラコスタのワールドクラスの個人技である。 

実際問題としてLokomotivのように堅牢な組織ディフェンスを崩すのはたしかに難しいだろうし、得点源がボックス外のミドルシュートだったり、組織を壊滅させるような計算できない個人突破から生まれるのは100歩譲って仕方ないと言えるだろう。しかし、Juve自体の守備の面に関してはどうだろうか? アッレグリ時代に存在した美しい44ブロックは見る影もなく、もっぱらピアニッチの脇が弱点になっていると私は考える。これは特定の選手を責めているのではなく、もっと組織的な話である。守備時は比較的フラットに3枚が一つのユニットとして機能していたアッレグリ時代と比べるとピアニッチを中心に2枚のインサイドハーフとの距離感がかなり広くなった。というのも彼らはアッレグリ時代と比べてもより前にポジションを取ることが多くなり、それはネガティブトランジション時にピアニッチの脇にスペースを生むことになる。

Lokomotivはカウンター時に執拗にそこを狙っていたように感じた。一応70分ごろからはベンタンクールとピアニッチの2アンカーで脇のスペースをより埋めていたような印象は受けたが、多くの時間帯ではピアニッチの脇は危険に晒されていた。

 

・おわりに

とはJuveは今のところ今季無敗で来ている。課題があるならば改善してけばいいし、課題があっても負けてないという事実は称賛されるべきだろう。

また、余談にはなるが個人的にはスルーするつもりだったPalaceのコラボユニがいまさら欲しくなって入手できなくてちょっぴり悔しいです(笑)公式ストアでは再販されるような節があるので次のチャンスのときは狙ってみようと思う。

次回のJuveの公式戦は日本時間11/11(月)AM4:45キックオフ、ホームでのAC Milan戦です。DAZNでの配信予定はないそうでスカパー!でのライブ配信になりそうです。

イグアインは昨季はかなりストレスフルな思いをAC Milan在籍時にしたと思うので一発かましてもらいたいですね。

 

ではでは

*1:下げた理由は筋肉系のハリ?の大事をとってだそうだが、果たして真相は...?

セリエA 第11節 Juventus VS. Torino

◇結果

 

Juventus(A) ー Torino(H)

1-0

 

70min イグアインデリフト   -0

 

 

 

◆スタメン

GK シュチェスニー

DF クアドラードボヌッチ、デリフト、デシリオ

MF ベンタンクールピアニッチマテュイディベルナルデスキ

FW 、ディバラロナウド

 

太字は前回の試合から引き続きのスターティング選手。

 

 

交代

60min イグアイン IN ディバラ OUT

67min ラムジー IN ベルナルデスキ OUT

76min ケディラ IN ベンタンクール OUT

 

 

寸評

Juveはいつもの4312ベースで、スタメンの変わったところと言えばデシリオが復帰してサンドロに代わってLSBに入ったところだろうか。ベンタンクールもケディラ先発に代わって右のインサイドハーフとして先発。一方Torinoはウィングバックを採用していたため、守るときは重心低く532のシステムで構えていた。これをJuve側が終始上手く崩せずチャンスを作ることが難しそうにみえた。逆にTorinoは強固な守備をベースに前線ではベロッティの活躍が光った。単独で突破できる怖さがあり、Juveの守備陣にとってはつねに無視できない存在だった。しかし、組織で崩すという感じではなかったため、ベロッティ、ヴェルディあたりを注意すればよかったというのは内容であった。結局、後半の25分ごろにJuveがCKからのチャンスを活かし、デリフトの移籍後初ゴールがそのまま今回のトリノダービーの決勝点になった。

 

◇感想

期待の星、CBデリフトの移籍初ゴールで

トリノ・ダービーを制す!!!

 

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やってくれたぜ!デリフト!!(この顔はファウルを取られたときのものです)

 

・スタメンを見て

 

・いきなりデシリオの珍プレーを見せられて

 

・マタマタ手に当たってしまう手リフトについて

 

クアドラード対ベロッティを見て

 

・珍しく途中投入されるケディラ

 

・ジャッジについて