いまさらGame of Thronesを初めて見てみた感想。※ネタバレあり

どうも、ここ最近Juventusメインのアカウントで海外ドラマ、Game of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ。以下GoT)のつぶやきを投稿しまくっていた筆者ですがロスが激しく寂しさすら感じるので備忘録的に感じたこと書き殴ってみたいと思う。

エンディング周りや作品の世界観などの感想を中心にネタバレ満載で書くつもりなので、TLに流れてきた感想(あれでも自重していたつもり)などをご覧になって少しでもGoTに興味が湧いたならば今すぐにブラウザバックして、AmazonプライムかHuluなどの動画配信サービスで本作品を視聴することを強く推奨します。

 

※以下ネタバレあり※

 

 

①結末について

サーセイの圧政(なんかダジャレみたいだな)を終わらせ、ウェスタロス大陸の世襲からなる君主制のような制度から世襲を廃止し、六王国の諸侯から君主を選ぶ制度に変更。さらに北部は独立国家として認められるようになった。

作品を終わらせるための展開としてやや強引さを感じたものの、あの血にまみれた暴力的で人間の愚かさを収縮させたようなウェスタロスに完璧とは言わないまでも、それなりの平和が訪れたような結末は悪くはないように感じる。しかし、すっきりするかというとそうでもはない。どうもパンチに欠ける印象は否めない。個人的には世襲による君主制の在り方を見直し、デナーリスの帝国主義を止めたという点はストーリー上自然な流れで、結末に取り入れたのはよかった。

ストーリーにおける現実的な部分、もっと言えば政治的な部分を解決したのは評価できるが、ファンタジー部分をもう少し説明・掘り下げて欲しかったなあという気持ちは拭えない。もう少し結末にファンタジー要素を絡ませてほしかった。材料(後述)があっただけにもったいないと感じた。

 

②どういう結末を期待していたか

単刀直入に言うと個人的にはウェスタロスという舞台に平和は訪れない。人々は争いを続ける輪廻から抜け出せない』というような結末を期待していました。最後のジョンとデナーリスのシーンで、ジョンが最後まで決断できずに逆にデナーリスに暗殺されて(正統な継承者を消すため)、ティリオンも処刑されて、帝国主義でガンガン争う、ドラゴンと穢れなき軍団を筆頭に北部に進軍するシーンで幕切れでも良かったんじゃないかと!

死の軍団とのGreat Warには聖書の大洪水並みの終末感を期待していたので、ちょっと物足りなかったし、そもそもウェスタロスに平和は似合わないよねっていう(笑)ここはどうしても個人に主観によるところが大きいので人それぞれ求めてた結末はあると思いますが、後述するループの示唆とかも散りばめられていたというのもあって、GoTには人間賛歌の真逆を行って欲しかったんですよねぇ。人は学ばず、同じ人間同士で争い続ける愚かな下劣な生き物であるということ示す緩やかなループEndingだったら大大大満足でした。まあ、そんなEDにしたら世間からは大バッシングだと思いますけど(汗)監督と脚本家は万人受けというかヒヨった終わり方をチョイスしたなと思います。

1つめちゃくちゃ評価できるというか、デナーリスが王都を焼き尽くしといてジョンとの愛情パワーでデナーリス改心からの帝国主義撤回、二人仲良く暮らしましたとさ。ハッピーエンド!LOVE&PEACE いぇーい!!!みたいな終わり方にならないで本当に良かった。ゲロ吐いてたと思います。もしこうなってたら。

王都を焼いた時点で、気が狂ったデナーリスについてく(=帝国主義傾倒、争いの輪廻End)か、デナーリスぶっ殺す(=とりあえず落ち着こうEnd)かの2択になっていたからこそ、ひねくれ者の自分は選ばれなかったほうのエンディングを観たかったなという心理があるんだと思います。

あとは死の軍団との戦いまで巻き戻っていいなら、あそこで敗北して世界の終末を描いてもよかったのかなと。

 

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ゾッとする狂気を滲ませるデナーリス。マジで怖かったw

 

③好きなキャラクターベスト3と一言

 

1位 ジョラー・モーモン

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永遠の片思い騎士

とにかく紳士圧倒的紳士です。見返りを求めずひたすらにカリーシに尽くす様には胸が打たれました。その忠誠心は、色んな騎士や臣下が登場するなかでも追随を許さないほどに圧倒的なものでした。特筆すべきなのは、忠誠心の裏に恋心もあったというのが、彼の魅力を何倍も跳ね上げてると思うんですよねえ。カリーシはウェスタロスの未来の支配者、指導者となる存在。成就するはずのない恋と知りながらも、ときには追放されながらも舞い戻り、ずーーーーっとどこまでも彼女に尽くすのです。泣けます。でも現実でもこういう男って報われないこと多そうなのよね。そこが妙にリアル(笑)

彼は残念ながら死亡endでしたが、物語のラスト(デナーリスの帝国主義傾倒と及び死)を考えると良いタイミングと状況で天命を全うしたのではないかと思いますね。でもジョラーが最終局面に残っていればカリーシを思いとどめさせることができたんじゃないか?というほんのり淡い期待もあったりなかったり。

好きなシーンは、カリーシに恋心がバレてお互い少し気まずくなるシーン。

 

 

2位 ジョン・スノウ

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You are my Queen.......

なんか1周回って好きかな(笑)悩めるヘタレ青年というのが第一印象だったんだけど基本的には平和主義で仲間思いのイイやつ。しかし、デナーリスと会ってからはかなりブレブレになってしまい、しまいの果てには『鉄の玉座』の正統な継承権があると判明しながらも『I don't want it(玉座なんかいらん)』『You are my Queen(あなたが私の女王です)』の二刀流でヘタレ全開に。

そもそも生まれが良く分からなかったり、良くわからないまま父親(だと思ってた人)に左遷され、左遷された赴任地で父親(だと思ってた人)の訃報を聞いたり、その敵討ちの戦争に参加できなかったり、童貞を卒業させてくれた愛する人(イグリット)を目の前で亡くしたり、なにかとトラウマを抱えている。そこでまた愛せる人が見つかったと思ったら実は近縁で、しかもその愛する人Queenと認めたのに、血統的には自分のほうが男児というのもあって継承者にふさわしいというグチャッグチャ状態はけっこうしんどい。しかし、最後の決断を迫られるシーンは正にジョン・スノウのために用意された物語を終わらせる最大の見せ場に見えたし、ヘタレても主人公なんだなって(笑)

好きなシーンは、You know nothing, John Snow (イグリットのセリフだけどw)とYou are my Queen. Now and  always(グサッ です。

 

3位 ティリオン・ラニスター

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ティリオン流、大一番前夜のお酌(笑)

ここで登場、ラニスター家。ジョラーは登場して数話の時点でかなりお気に入りのキャラだったので1位は揺るがないのですが、2位をティリオンにするか非常に迷いました。というのもタイウィン&シェイ殺害のエピソードまではダントツで濃ゆいキャラクターだったからです。作中で様々なキャラクターと交わるし、雄弁と詭弁を使い分けるその巧みな話術、交渉術に惹かれること間違いなしです!特に残虐でダークな作風が目立つ中で数少ない貴重なコメディシーンを担うことが多く、まさにウェスタロスで笑いあるとこにティリオン在りと言った具合でした。

しかし、原作を追い越したとされるシーズン7以降のティリオンの著しいポンコツ化が目に余った。たぶん監督と脚本家のブレインじゃティリオンを上手く使いこなせなかったのかなーなんて。とにかく後半のティリオンはけっこうがっかりです。

好きなシーンは、高巣の城での決闘裁判周辺の一連のエピソードブロンとの絡み全般死の軍団との戦い前夜でのポドリックへのお酌シーン(笑)など

 

その他特に好きなキャラ(名前のみ、思いついた順)

マージェリー・タイレル、オレナ・タイレル、ブロン、ハウンド、アリア、ポドリック、サム、ホーダー、ジオー・モーモント、ヴァリス、ミッサンデイ など

 

④気になった謎、世界観、伏線について

※これから列挙する事柄についての詳細や答えは私が見落としているだけの可能性があるため知っている人がいたら教えてほしい(笑)また、ぜひ皆さまの考えを教えてほしいです。

 

 

・光の王(Lord of Light)とは一体なんなのか

主に『紅の女(メリサンドル』を中心に展開される光の王のエピソード。紅の女、兄弟団のソロス(飲んだくれ爺)、ベリック(眼帯おじ)などのキャラクターが特にこの光の王に対する信仰心が強い人物として描かれていて、剣に炎をエンチャントしたり(超かっこいい)、蘇生、炎を覗くことで未来予知など魔法じみたことができます。そして彼らの共通の理解として『人は光の王に導かれている』と人には光の王によって定められている運命や未来があることが示唆されています。

致命傷を負っても蘇る男として登場したベリックはThe Great Warの最中にウィンターフェルの城内で亡者の大群に追われてるアリア・スタークを自分の命と引き換えにして助けます。その後はご存知の通りアリアが夜の王にトドメを刺し、The Great War(北部同盟VS死の軍団)を終わらせる。このことから救世主(=アリア)のピンチを救うのがベリックの運命、導きだったのだろうか?

けっきょくよく分からない光の王.....

 

・三つ目の鴉の存在意義。もし夜の王に殺されていたら何が起きていた?

超人的な賢者として登場した三つ目の鴉。過去を視ることができたり、人や動物に憑依することができる千里眼的な特殊能力を持つ。サム曰く、ウェスタロスの歴史そのものという。作中ではブランドン・スタークが『壁』を超え、北へ北へと旅をしウィアウッドの木の根元にいた三つ目の鴉から力を継承した。

また、死の軍団を迎え討つための軍事会議のときにサムは、『忘れるということが死ということなんだ。』という主旨の発言をし、夜の王の狙いが三つ目の鴉の殺害であること北部同盟の重鎮たちに認識される。けっきょく、寸前のところでブラン(三つ目の鴉)の殺害は免れ、夜の王の討伐に成功する。

ここで一つ疑問が生まれる。三つ目の鴉が殺害されていた場合、世界はどのようになったのか?三つ目の鴉は遥か昔からその役割を次の代へと引き継いでる節があるので、そもそもウェスタロスに三つ目の鴉がいなかった時代が存在しないと考えられる。三つ目の鴉の役割に対する部分で作中のヒントがあまりに少ないため、あくまで自分の仮説だが、三つ目の鴉はウェスタロスの原点。つまり三つ目の鴉の死=ウェスタロスの死で、ウェスタロスに終末が訪れる....気がする。でも、何も起きない気もする.......

けっきょくよく分からない三つ目の鴉......

 

・ホーダーのイベントと宿命論

ホーダーというキャラは「ホーダー」という単語しか口に出せない言語障害を持つ、心優しき巨漢のキャラクターである。セリフはすべて「ホーダー」で構成されていて、感情もすべて「ホーダー」の抑揚だけでで表現しているのもかなり面白い。「ホーダー!」、「ホーダー.....」など。物語序盤から登場し、半身不随となったブランの『足』となり、旅のサポートをする。そう、彼はウェスタロスで稀に見るイイヤツなんです!ちなみに字幕でホーダーってなってるのが納得いかない。どう聞いても「ホードー」だろ。。。(どうでもいい)

さて、この言語障害がどのようにして患ったものか謎のまま物語は進行していくのだが、ついにシーズン6ep5にて作中屈指の神エピソードとともに明かされる。簡単に説明すると以下の通りだ。

 

ブランが千里眼で過去のウィンターフェルを視る 

※過去を視ているときは現実のブランは抜け殻同然となる。(意識ない、動けない)

そこでブランは過去のホーダーの姿も確認し、

名前がウィリスであること、昔は正常に会話ができていたということを知る。

敵が現れて、襲い掛かってくる。

ホーダーとミーラ、森の子でブランを運んで逃げる。

時間稼ぎのために森の子が敵もろとも自爆する

地下から脱出する。敵が追ってこないようにホーダーは扉を押さえつける。

ミーラはそりに乗った抜け殻のブランを運びながら、ホーダーに向かって「Hold the door(扉を押さえて!!)」と繰り返し叫びながら逃げる

その声が現実のブランを通じてか過去空間に影響を及ぼしてしまい、過去にいる若かりし頃のホーダー(ウィリス)が発作を起こしてしまう。ウィリスはその場に倒れ込み痙攣しながら「Hold the door」と連呼しながらも次第に「Hodor(ホーダー)」しか言わなくなったのであった......

 

今、振り返っても感動抜きでは語れない神エピソードである。しかし、冷静に考えてみてほしい。未来の出来事(敵からの逃亡→Hold the door)がきっかけで過去が決定しているのである。このホーダーのエピソードはGoTワールドでは一人ひとりの運命(=未来)が決まっていて、その運命を辿っているという強い裏付けになっている。つまりGoTの世界で起きることはすべて必然と言えるのではないか。ファンタジーなんだからそこまで気にするなよと言われればそれまでなんですが、、、(笑)

 

⑤おわりに

好きなだけ書き殴っていたら5000文字を超える投稿になってしまいたいへん恐縮です。思えば、GoTは登場する数多くのキャラクターの心理描写が緻密に描かれていて本当に1話1話楽しむことができました。また、長らくファンタジーものの映像作品に触れてこなかったのでファンタジーはやっぱりいいなぁと再確認できました。それと個人的な話ですが、ゲームもけっこう嗜んでいるので、FROM SOFTWAREの宮崎氏とGoTの原作であるSong of Ice and Fireの作者ジョージ・R・R・マーティン氏がタッグを組む、『Elden Ring』が今から楽しみで仕方ありません。

最後となりましたがここまで読んでくださった方がいればお付き合い頂き感謝です。ありがとうございました。ぜひコメント欄からでもGoTファンの感想や考察など投稿して頂ければ嬉しいです。