Juventus【サッリ式4312】の2トップについて語る

 

◇はじめに

さて、冬の休暇期間が終わり、来る6日23:00キックオフ、セリエA第18節のCagliali戦に向けて選手たちはトレーニングに励んでいることでしょう。19/20シーズンの後半戦がいよいよ始まるわけですが、その前に現在のJuventusで最も多く採用されている『4312』システムの最前列の2トップについて19/20シーズン開幕からの全公式戦24試合のデータを用いてアレコレと調べてみたのでまとめてみようと思います。

 

◆2トップの現在の序列

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セリエ第5節のBrescia戦から採用されはじめた4312システム。以外なのはサッリが新システムを試したそのタイミングだ。第5節のBrescia戦というのは相手が昇格組というのもあってか、ロナウドは休養ということでアウェイ遠征に帯同しなかったのである。"王様"不在のこのタイミングでのディバライグアイン2トップ採用が、そもそものスタートであった。私は当初、【ロナウドがいない=前線から守備(≒プレッシング)ができる】という点を考慮してディバラとイグアインの2トップを限定的に採用したと考えていた。しかし、実際はロナウドがスタメンに戻ってきた次節のSPAL戦でも4312は採用されたし、その後は皆さまご存知のとおりほとんどの試合でロナウドのスタメン、非スタメン関係なく、4312というシステムが基本形となっている。

むしろ2トップの1席はロナウド玉座状態になっているのが現状だ。そして、余った『王の右腕』という席をディバラとイグアインが争っている。試合を観ていれば、体感的に明らかであるが、一応以下のグラフを作成してみたので参考にしてほしい。

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8/24~10/22の公式戦とHDRの出場時間

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10/26~12/22までの全公式戦とHDRの出場時間

 グラフ作成の簡易化のためロスタイムは計上していない。緑セルスタメンフル出場を表していて、水色セルは出場なしを表している。留意したいのは、ロナウドが出場しなかった3試合はすべてアウェイ戦で現場に招集すらされていない(=完全休養ので、ディバラとイグアインの出場なしとはやや意味合いが異なる点だ。

3者の前半戦における公式戦24試合の出場機会を視覚的に分かりやすく円グラフで表すと以下のようになる。

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HDRの出場機会まとめ

青色の割合がフル出場、緑色の割合が途中で下げられたケースを表す。サッリはこの3人おいて前半で下げたことはないので、緑色の割合は後半にベンチ下がった割合と同義である。そのため青色+緑色の割合が多いほど出場機会に恵まれていると判断できる。

やはり、サッリの2トップにおける序列のNo.1はロナウドで揺るがないということが改めて分かる。ディバラとイグアインに関してはそこまで大きな差はないが、ややイグアインのほうが出場機会に恵まれていると見ていいだろう。

 

つまり、出場機会から見る2トップの序列についてまとめると

ロナウド>>>イグアイン≧ディバラ

 となる。

 

◇ゴールとアシスト及びプレイ時間(単位分)について

 この項では3人のFW陣の実績(ゴール&アシスト)とプレイ時間について考えてみたい。

・ゴールとアシスト

今季公式戦24試合でのゴール&アシスト数は以下の通りである。

 

ロナウド :12ゴール 1アシスト

ディバラ : 9ゴール 4アシスト

イグアイン: 6ゴール 6アシスト

 

特徴的なのが、3人ともゴール数とアシスト数を足し合わせると13(ロナウド、ディバラ)、12(イグアイン)と近い数値に収束することだ。

ゴール特化のロナウドに対して、およそ7:3でゴールとアシストを記録するディバラ、5:5の割合でゴールとアシストを記録するイグアイン

 

アシストの内訳は以下の通りである。括弧内は同選手に対するアシストの回数

 

ロナウド  →ラムジー(1)

ディバラ  →ロナウド(3)イグアイン(1)

イグアイン →ディバラ(2)、ロナウド(1)、クアドラード(1)、デリフト(1)、コスタ(1)

 

ここで特徴的なのが、ロナウドはディバラ、イグアインから合わせて4つのアシストをもらっているがロナウドから彼らへのアシストはないということだ。

そもそもロナウドは今季アシストがかなり少なくなっているが、ディバラとイグアインとの関係性がどうというよりは昨季と比べてプレーエリアがより中央になりゴールに近くなったため、昨季ひとつのアシストパターンであった左サイドからクロスを入れる場面の減少がアシストの少なさに表れていると思う。

 

・プレイ時間

ここでは、これまでの全公式戦24試合における詳細なプレイ時間についてまとめる。単位は分。

 

ロナウド 1225(セリエA)+532(CL)+93(Supercoppa)=1850 min

ディバラ   968(セリエA)+206(CL)+93(Supercoppa)=1267 min

イグアイン 1007(セリエA)+399(CL)+93(Supercoppa)=1499 min

 

算出したそれぞれのプレイ時間を用いて、min/Goalを求めると以下の通り。(少数第2桁四捨五入)

 

ロナウド 1850/12=154.2(min/Goal)

ディバラ     1267/9=140.8(min/Goal)

イグアイン 1499/6=249.8(min/Goal)

 

 今季これまでゴールのペースという意味で一番良い数値を残しているのがディバラということが分かる。ロナウドも僅差で次点につき、イグアインは2人と比べて1ゴールにつき100minほどの差がある。

まとめると、今季前半戦でゴールを決めるペースは

ディバラ≧ロナウド>>イグアイン

 

次にアシストを含めたmin/GorAを算出する。これはゴールもしくはアシストを何分おきに記録しているかを確認することができる。

 

ロナウド    1850/(12+1)=142.3(min/GorA)

ディバラ     1267/(9+4)=97.5(min/GorA)

イグアイン  1499/(6+6)=124.9(min/GorA)

 

ここで分かるのは、アシスト数の低いロナウドの数値は伸びない反面、アシストを多く記録するイグアインやディバラの数値がかなり良くなるということだ。ゴールを決めるペースに続きここでもディバラが3者の中ではトップの数値を出している。97.5(min/GorA)ということは、およそ1試合フル出場したらゴールもしくはアシストを1度記録するペースということだ。

まとめると、今季前半戦でゴールもしくはアシストで得点に関与するペースは

ディバラ>>イグアインロナウド

 

◆継続性について

この項では、3人のFW陣の継続性についてまとめていきたい。

ロナウド

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図1

上記の図1は19/20前半戦の公式戦24試合についてロナウドプレイ時間(黄色線、右軸)、ゴール(青棒、左軸)、アシスト(緑棒、左軸)をまとめたものである。

ここから得られるロナウドの継続性は

 

継続性(好調)

・ピークは12/1~12/18にかけての5試合連続ゴールで合計6ゴールをあげたとき

・9/21~10/19にかけて(9/24は招集外)の5試合で出場3試合連続ゴールを含む4ゴール1アシスト

 

継続性(不調)

・ピークは11月の出場4試合連続ノーゴール、ノーアシスト

・シーズン開幕直後の4試合1ゴールも本調子とは言えず

 

・ディバラ

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図2

上記の図2は19/20前半戦の公式戦24試合についてディバラプレイ時間(黄色線、右軸)、ゴール(青棒、左軸)、アシスト(緑棒、左軸)をまとめたものである。

ここから得られるディバラの継続性は

 

継続性(好調)

・ピークは9/28~10/26にかけての6試合で4ゴール2アシストを記録したとき

・11/10~11/26にかけて3試合連続ゴール

・12/11~12/22にかけて4試合で2ゴール2アシスト

 

継続性(不調)

・開幕直後の出場4試合ノーゴールノーアシスト

・10/30~11/6にかけて3試合連続ノーゴール、ノーアシスト

 

イグアイン

 

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図3

上記の図3は19/20前半戦の公式戦24試合についてイグアインプレイ時間(黄色線、右軸)、ゴール(青棒、左軸)、アシスト(緑棒、左軸)をまとめたものである。

ここから得られるイグアインの継続性は

 

継続性(好調)

 ・11/2~11/26にかけて4試合連続アシスト含む4アシスト2ゴール 

 

継続性(不調)

 ・10/19~10/26にかけて3試合連続ノーゴール、ノーアシスト

・11/12~12/7にかけて3試合連続ノーゴール、ノーアシスト

 

まとめ

・前提として、グラフの黄色線を見れば分かる通りディバラとイグアインのプレイ時間は全く安定していないのでこの状況で安定して結果を残すのはロナウドに比べて難しいと言えるだろう。

・3者ともにシーズン開幕直後はあまり調子があがらなかった

・好調時の継続性と不調時の継続性の項目数の足し引きで言えば、ディバラ>ロナウドイグアインだが、ロナウドの5試合連続ゴールは他の2人では再現できていないオンリーワンかつナンバーワンの記録であるし、単純に比較するのは難しい。

 

◇結論

この記事では、特にロナウド、ディバラ、イグアインのゴールとアシスト、プレイ時間そして継続性について取り上げたが、筆者の個人的な結論としては3人のなかで飛びぬけた選手はいないということだ。強いて言うならば少ない出場機会で結果を残しているディバラにはもう少しチャンスを与えるべきではと思う。にもかかわらずロナウドだけ飛びぬけて出場機会が与えられていることに関して違和感を感じる。そこにはロナウドという計り知れない強い個性や、ピッチ上以外の要素マーケティングや契約問題など)が絡んでいるかもしれないが、サッリにはぜひ突破口を編み出してもらいたい。

その解決策として取り組んでいるのがHDRの同時起用だと思われるが、現状の4312ではどうしても守備の面でうまくいっていないように感じる。攻撃面でHDRを同時起用することが最も理想的なのかもしれないが、それは守備を放棄していいということではない。シーズン序盤に433→4312に変化したときのように、もう一度HDRを主軸にシステムを練り直すときかもしれない。

正直、12月のHDRスタメン起用はサッリのおこがましさが垣間見えてツラいものがあった。HDRも使いたい、でも自分の考えたゾーンディフェンスは崩したくない、あれもやりたいこれもやりたい状態で柔軟性に欠けた末路がLazio戦における敗戦だと思っている。

 

まとめ

ロナウド、ディバラ、イグアインの3人の中で飛びぬけた選手はいない。

・(攻撃面での)理想は3人を同時起用できること

・皮肉なことに最も出場機会に恵まれていないディバラが、最も出場機会に恵まれているロナウドと同等の成績を残している。

HDRを実現するためにシステムを練り直すべき≒トータルゾーンディフェンスを妥協する

 

2019 Supercoppa Italiana VS SS Lazio

◇結果

Juventus ー SS Lazio

1-3

 

16min セルゲイ→ルイス・アルベルト   0-

45min ディバラ 

73min パローロ→ルリッチ 1-

93min カタルディ  1-

 

◆スタメン

Juventus

GK シュチェスニー

DF デシリオ、デミラルボヌッチアレックス・サンドロ

MF ベンタンクール*1ピアニッチマテュイディディバラ

FW イグアインロナウド

 

太字は前回の公式戦から引き続きのスターティング選手。

 

交代

55min クアドラード IN デシリオ OUT

66min ラムジー IN イグアイン OUT

76min ドウグラス・コスタ IN マテュイディ OUT 

 

SS Lazio 

GK ストラコシャ

DF ルイス・フェリペ、アチェルビ、ラドゥ

MF ラッツァーリ、セルゲイ、レイヴァ、ルイス・アルベルト、ルリッチ

FW コレア、インモービレ

 

※太字はセリエA第15節対戦時のスターティングメンバー

  

交代

64min カタルディ IN ルーカス・レイヴァ OUT

67min パローロ IN ルイス・アルベルト OUT

82min カイセ IN インモービレ OUT 

 

 

◇試合展開

公式戦3試合連続のHDRスタメン起用となったJuveに対して、Lazioはリーグ戦でJuveに白星をあげたときのスタメンと全く同じ11人を採用した352。

試合の立ち上がりはLazio側が、リーグ戦と比べて重心を低く構えてルーカス・レイヴァの脇をしっかり固めているという印象が強かったが、徐々に試合が進んでいくとJuveの中盤で数的有利を作ってゲームを展開するといったLazio側の狙いが見えたように感じた。実際、16分には右サイドで攻め上がったラッツアーリが溜めを作ると、FWであるはずのインモービレコレアが下がることで中盤に厚みを持たせた(画像1参照)。このことによって中央付近でベンタンクールが抱えきれないほどの選手を請け負ってしまい、案の定中盤で浮いたルイス・アルベルトを経由して楽々、逆サイドのルリッチまで展開される。そこからクロスがあがりセルゲイが中に折り返して最終的にルイス・アルベルトが先制。

44分にはロナウドの強烈なミドルシュートストラコシャが弾くと、それをディバラが詰めて同点に追いつき前半は終了。

後半、Juve側はディバラの守備時のポジショニングに修正が入ったように見受けられた。前半と比べてより低い位置まで下がるようになったが効果的だったかどうかは疑問。得点が欲しいサッリはデシリオに代えてより攻撃的なクアドラードを55分に投入するも、サッリ監督の思惑とは反対に73分には、右サイドからラッツァーリのクロスが上がるとそれを中にいた途中出場のパローロが逸らして大外で余っていたルリッチが合わせて追加点をもぎ取る。

試合終了間際にはJuveが実質的にラストチャンスとも言えるFKを獲得するが、これを壁に当ててしまい逆にロングカウンターを喰らい、シュチェスニーは間一髪でコレアとの1v1を制するが、そのディフレクションで発生した2次攻撃を阻止しようとしたベンタンクールがファウルをして2枚目のイエローにより退場処分。結局、途中出場のカタルディが見事なキックでそのFKを沈め、3-1でLazioの勝利に終わる。

 

◆感想

タイトルのかかったビッグマッチは完敗....

ゾーンディフェンスの弱点を見事に突いた強敵Lazioに軍配が上がる

 

・余りまくるLazioの選手、守備の柔軟性に欠けたJuventus

2週間ぶりのLazioとの対戦になったわけですが、ほぼ完敗でしたね。前半特に気になったのが、中盤でLazioは仕掛けてるのかなっていうことに関してJuve側が特にリアクションを起こせなかったということだろうか。特にコレアの位置がめちゃくちゃファジーで終始ベンタンクールが困っていた印象が強かった。

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画像①

また2失点目も、クロスに対してルリッチが大外で完全に余っていて失点している。この2失点はサッリ流ゾーン・ディフェンス*2が露呈される形となったのではないだろうか。しかも、HDR採用となるとトップ下のディバラはなるべく下げたくないだろう。そうするとJuveはつねに自陣での守備はせいぜい4-3での7人となり、手薄となっている中盤で勝負を仕掛けられると対処に困る

修正が入ったのは後半からで、守備時になるべくディバラも下がるようになって44ブロックの形成に貢献したが、反対に肝心のHDRの攻撃力は低下したように感じた。

 

 上記のツイートで言及しているソースについてまだ探しているので、心当たりのある方いましたらぜひ教えて頂きたいです!

 

・ディバラは個人的な快挙

ちなみにタイトルを逃したのは残念ですが、ディバラは今回のゴールでイタリア・スーパーカップにおけるゴール数4で単独トップに立ったみたいですね。イタリア・スーパーカップに出場できる条件がそもそも、スクデット獲得やコパ優勝があるのでディバラ個人の力量というよりはJuveというクラブありきという印象が強いですけどね(笑)

 

・おわりに

年末年始ドタバタしてたらいつの間にか更新ほったらかしで、このクソ忌々しい敗戦とともに年を超してしまいました(汗)新年早々、多くのJuventiniの心をえぐる記事を投稿すると不味いんでサイレント更新します。

今季の残りも自分なりのペースで全公式戦について書いていきたいと思いますので、どうかご贔屓にm(__)m

*1:48minに1枚目のイエロー、試合終了間際に2枚目をもらい退場。また退場処分を受けた際の反スポーツマン的なふるまいを指摘され3試合の出場停止処分

*2:一般的なゾーンディフェンスはマンマーク(人につくディフェンス)との併用が多い中、サッリはボールの位置とゴールを基準にしてDFを配置する手法を取っていると言われている。トータル・ゾーンディフェンスと呼ばれていたりもするらしい。

セリエA 第17節 Juventus VS. UC Sampdoria (感想簡易)

◇結果

Juventus(A) ー UC Sampdoria(H)

2-1

 

19min アレックス・サンドロ→ディバラ ー0

35min カプラーリ 1-

45min アレックス・サンドロ→ロナウド 2-1

 

  

◆スタメン

Juventus

GK ブッフォン

DF ダニーロデミラルボヌッチ、アレックス・サンドロ

MF ラビオピアニッチマテュイディディバラ

FW イグアインロナウド

 

太字は前回の公式戦から引き続きのスターティング選手。

 

交代

69min ラムジー IN イグアイン OUT

77min ドウグラス・コスタ IN ディバラ OUT

82min デシリオ IN アレックス・サンドロ OUT 

 

 

UC Sampdoria

GK アウデロ

DF ムリージョ、フェラーリ、コリー、ムッル

MF デパオリ、トルスビー、リネティ、ヤンクト

FW ラミレス、カプラーリ

   

交代

51min レリス IN デパオリ OUT

66min ガッビアディーニ IN ヤンクト OUT

76min オーゲロ IN ムッル OUT 

 

◇試合展開

二試合続けてのHDR*1のスタメン起用となったJuve。一方、Sampdoriaは昨季セリエA得点王に輝いたエースストライカー、クアリャレッラを休ませるといったラニエリ監督の判断が注目となった。

試合は442のオーソドックスな陣形で重心低めに構えるSamdoriaに対して4312でピッチを幅をワイドに利用しつつ、アタッキングサードでは前線のトリデンテのHDRを活かそうとするJuveという構図で試合は展開されていった。

前半の19分になるとアレックス・サンドロのクロスから真逆の対角線上にいるディバラが見事なダイレクトボレーファーサイドのサイドネットに先制弾を叩きこむ。

しかし、35分ごろには先制をアシストしたアレックス・サンドロが自陣のかなり深い位置でボールロストしてしまい、さらにその事後処理のクリアも曖昧になってしまい、その中途半端なクリアをカプラーリが叩き込み同点に追いつく。

45分には再び、左SBのアレックス・サンドロの高めのクロスから超人的な跳躍からロナウドで追加点を叩きこむ。

後半もけっきょく流れは大きく変わらず、Juve側はHDRを解体しつつもラムジードウグラス・コスタといったこれまたバランスの悪そうな交代カードを切ったが意図は不明。そのまま後半はスコアレスに終わり試合終了となった。

 

◆感想ツイートまとめ

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ディバラを撮ろうとする?可愛いらしいサポ

 

 

ブッフォンはこの試合でセリエA出場記録が最高記録保持者であるマルディーニの647試合と並んだらしいです。

 

Sampdoriaの守備を見て

 

ディバラのスーパーボレーを見て

 

ロナウドから絶好のクロスが入るが、それに飛び込んだイグアイン、ディバラが反応できず思わずボヤくHDR懐疑派の筆者

 

ロナウドのゴールに興奮する筆者

 

試合終了後に得点シーンを振り返り、再びボヤくw

 

 

*1:Higuain、Dybala、Ronaldoで構成される2トップ1トップ下のトリデンテの略称。前回の記事はDH7と紹介しましたが今後ブログ内ではこちらで統一する方針に

セリエA 第16節 Juventus VS. Udinese

◇結果

Juventus(H) ー Udinese(A)

3-1

 

9min ロナウド ー0

37min イグアインロナウド -0

45min デミラル→ボヌッチ 3-0

93min プッセート 3-

  

◆スタメン

Juventus

GK ブッフォン

DF ダニーロデミラルボヌッチデシリオ

MF ラビオ、ベンタンクール、マテュイディディバラ

FW イグアインロナウド

 

太字は前回の公式戦から引き続きのスターティング選手。

 

交代

75min ベルナルデスキ IN ディバラ OUT

76min デリフト IN ボヌッチ OUT

80min コスタ IN イグアイン OUT 

 

 

Udinese

GK ムッソ

DF ドゥ・メオ、トロースト=エコング、ヌイティンク

MF アヴェスト、デパウル、マンドラゴラ、フォファナ、ラーセン

FW オカカ、ラザーニャ

   

交代

61min プッセート IN オカカ OUT

66min ワラシ IN パウル OUT

82min ネストロフスキ IN ラーセン OUT 

 

◇試合展開

Juventusのスタメンに目を向けると、今節注目となったのがディバライグアインロナウドのトリデンテのスタメン起用、②ピアニッチ不在によるベンタンクールのアンカー起用と言えるだろう。

両チームの布陣はJuveは4312に対して、UdineseはWBを採用した352だった。しかし、ほとんどの時間帯で主導権を握られていたUdineseはどちらかというと終始532でゾーナルディフェンスを構えていたと見ていいだろう。

前半9分ボヌッチロングボールからロナウドが幸先良く先制すると、続いて37分ごろにはイグアインルーパスから抜け出したロナウド今季初のドッピエッタで追加点。前半終了前のCKには大外にいたデミラルが中に折り返し、それをボヌッチが頭で合わせ前半だけで3点差をつけた。

結果的に引いて守るUdineseにJuveのトリデンテが上手く機能した前半だったと評価できるのではないだろうか。

後半Udineseに特に大きな変更は見られず、前半と同様に敵陣でゲームを支配するJuveに対して引いて守るUdineseがカウンターを試みる展開が続く。時折、ボックス内で危険なシーンも見られたがブッフォンやデミラルなどの守備により失点は免れた。

後半の60分台を迎えると先に動いたのがUdineseだった。61分にプッセート、65分にワラシを投入し、中盤と前線の選手の入れ替えを計った。

75分ごろから80分にかけて、サッリ監督は今節試したトリデンテの解体に取り掛かり、75 分にディバラを下げ、ベルナルデスキを投入。80分にはイグアインを下げコスタの投入などを行った。

ロナウドは後半にもいくつかの決定機をむかえるが、ポストやGKムッソの好セーブなどに阻まれ、ハットトリックは実らず。

最終的にロスタイムの93分に右サイドにワイドに張っていたアヴェストから鋭いグラウンダーのクロスがあげられ、これにうまく対処できなかったJuveディフェンス陣の隙を突いたプッセートがボックス内でボールを突っつき1点を取り返し、試合終了直前にJuveはクリーンシートを逃す後味の悪い終わり方となった。

 

◆感想

話題のトリデンテが躍動!

ロナウドの公式戦4試合連続ゴールを含むドッピエッタ

今年最後のホームゲームを勝利で飾る!!

 

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イグアインからキャプテンマークを渡されたCR7だったが、それをマテュイディに譲る



まさかのDH7*1トリデンテがスタメン!~Sarriの断章シリーズ part1~

 あるときには、DH7の同時起用に関して以下のように語っていたサッリ。

“If I am sitting in a bar, it seems like a good idea to me too. If I am on the bench, then I have to take the balance of the side into consideration.

“If the team in future finds a great deal of balance, then we can try it, but right now that seems premature.”

 

『バーの席に座っていたらそれもアリかもしれんが、ベンチに座る以上チームのバランスを考えなければならない

『将来的にチームがバランスの観点で良い塩梅が見つけられたら試すこともできるだろう。しかし、現時点では時期尚早だ

 

 

この発言はCL グループの第2節でLeverkusenと対戦したあとに行われたインタビュー中でのことだ。ちなみにこのゲームはトレクァルティスタ*2ベルナルデスキが初起用された試合でもある。

これまた余談ではあるがDH7がスタートから起用されたんは今節が初めてとなるが、DH7はこれまで一つの攻撃的なオプションとしてサッリによって活用されてきたのも事実である。具体例をあげると、Inter戦で約9分間、CL第3節のLokomotiv戦で約42分間、Sassuolo戦で約26分間、CL第6節のLeverkusen戦で約24分間のおよそ4試合で100分間は同時にプレイしてきた。

しかし、今節のスタート起用についてはインタビュー内で以下のようにサッリは説明している。

“At this moment, those three are in good shape and we were facing an Udinese side that doesn’t really keep possession, they like to try long balls.

“I therefore thought this was a situation where we could afford to have them. As soon as Udinese starting passing it around more, we struggled, so it is a valuable option for us, but one we cannot use all the time.

『現時点でDH7の3人は良い状態であることに加え、Udineseはボールをキープするよりかはロングボールを好む。』

『そのことから、この状況なら3人を使えると判断したんだ。Udineseがボールを回し始めると、私たちは苦しんだ。よって価値あるオプションではあるが、つねに採用できるシステムではない

 

 このことから、あくまで選択肢の一つとしてDH7を今回スタートから採用したことが伺える。しかし、事実として3人が出てるときの攻撃はよく得点が生まれているのでいずれは3人がスタメンに固定される日が来るかもしれない。

 

・トリデンテに関する筆者の考え

いや~DH7がすごい話題になっていますけどぶっちゃけ自分は懐疑派ですね。欧州の大会でやってみろっちゅう話なんですよ。プロンビンチャのね、お金ないチームにたいして札束で殴りかかってるだけでしょ。というのが今節のDH7の個人的な意見ですね。

試合はたしかに支配していた時間が多かったし、チャンスも普段以上に作れていた気がするが、得点シーンでDH7が機能したねっていうのは2点目くらいですかね?1点目はボヌッチの神フィードとロナウドの決定力ありきみたいなもんだし。ディバラもたしかに絡んではいたけど、ロングボールを受けるのはディバラが必要条件ではないと思う。

とまあ、ちょっと辛口になってしまいましたがWBを採用した352システムとかなら実現可能なトリデンテではあると思います!でもサッリは3バックを嫌う傾向があるので、なんともいえない、、、

 

・おわりに

さて次回の試合は今年最後であり、2010年代最後のセリエAとなりますよ!

日本時間12/19(木)2:55キックオフのAwayでのSampdoria戦です。DAZNでLive配信されるみたいです。

Sampdoriaは一時は降格圏内にいたそうですが、"修理屋"ことラニエリさんが監督に就任してからはやや上昇傾向ありのチームですね。ジェノアとの灯台ダービーも制したみたいですので勢いはありそうです。Juveにはぜひ勝ち星をあげて、続く年内最終戦イタリア・スーパーカップに向けて士気をあげてもらいたいです!Forza Juve!!

 

*1:Dybala,Higuain,CR7の3人をまとめた名称らしい。イタリアの地元紙が使ってたみたいなんで便乗。

*2:Trequartista。イタリア語で「4分の3の人」の意味。いわゆるトップ下のこと。

UEFA Champions League 第6節 Juventus VS. Bayer Leverkusen 

◇結果

Juventus(A) ー Bayer Leverkusen(H)

2-0

 

75min ディバラ→ロナウド -0

91min ディバラ→イグアイン -0

 

◆スタメン

Juventus

GK ブッフォン

DF ダニーロ、デミラル、ルガーニ、デシリオ

MF クアドラードピアニッチ、ラビオ、ベルナルデスキ

FW イグアインロナウド

 

太字は前回の公式戦から引き続きのスターティング選手。

 

交代

66min ディバラ IN ベルナルデスキ OUT

85min マテュイディ IN ラビオ OUT

92min ムラトーレ*1 IN クアドラード OUT 

 

 

Bayer Leverkusen

GK フラデツキー

DF L.ベンダー、ドラゴヴィッチ、S.ベンダー、シンクラーフェン

MF ベララビ、デミルバイ、アランギスディアビ

FW ハフェルツアラリオ

 

※太字は前回対戦時にスタメンだった選手

 

  

交代

66min バウムガルトリンガー IN デミルバイ OUT

66min ベイリー IN ベララビ OUT

82min フォラント IN アラリオ OUT 

 

◇試合展開

Juveは前回の国内リーグ戦より、GKを含むDFラインを丸ごと変更。これまで特に出場機会に恵まれなかったデミラルルガーニのCBコンビとなったことがポイントと言えるだろう。また中盤にも目を向けると、サッリ体制下で初めてクアドラードがIH起用されたり、およそ1か月強ぶりのラビオのスタメンなども注目となった。スタメンに多くの選手の入れ替わりはあったものの基本陣形は変わらず4312

一方、Leverkusenは前回対戦と比べて選手も陣形も変更があったように見える。ハフェルツのポジショニングにより4411⇔442のような陣形で、サイドにスピードとテクニックのある、ベララビディアビを配置し、前半は特に彼らのサイドアタックを起点に決定機を作っていた。

10分ごろにはお互い決定的なチャンスが訪れる、Juveはダニーロアーリークロスを起点に裏に上手く飛びぬけたイグアインからボックス内にグラウンダーのクロスが供給されるが、ロナウドがこれに惜しくも届かず。直後のプレーではクアドラードが中盤でボールを失い、ショートカウンターからディアビの強烈なミドルシュートがJuveの右ポストを叩いた。

Juveの前半は後手に回る展開が続き、終始Leverkusenに押され気味だったが、デミラルやルガーニといったCB陣の活躍でなんとか耐え抜いた印象。シュート数の比較で見ると、Juveはわずか3本(枠内0本)に対してLeverkusenは13本(枠内1本)である*2。しかもそのうち6本はボックス内で打たれているのでいかに攻め込まれていたのか分かる。

後半Juveは、特に右のIHのクアドラードとRSBダニーロの関係性が改善されたように見え、前半と比べて右サイドからの攻めを構築できていた。Leverkusenは前半ほどの勢いを見せることができず全体的に落ち着いた後半となった。その証拠にあれだけシュートを放っていたLeverkusenであったが、後半は67分になるまで1本も打っていない。

50分には左のハーフスペースでのベルナルデスキのボールキープから最終ラインを抜けたロナウドがパスを受け、ゴールを決めるがオフサイドで取り消し。

65分に両監督が動き、Leverkusenのボス監督は、サイドアタッカーの一枚であった、ベララビを下げ、ベイリーを投入。さらにデミルバイに代えてバウムガルトリンガー。この際左サイドにいたディアビが右サイドにポジションチェンジ。ベイリーが左サイドに入った。一方、サッリ監督はベルナルデスキを下げ、ディバラを投入し攻撃的なカードを切った。

75分にはサッリの交代策が効いたか、ピアニッチの裏のスペースへのフィードが起点にディバラロナウドのホットラインが機能し、Juve先制。さらにロスタイムにはダニーロのロングボールからディバライグアインのコンビネーション噛み合い、最後にはイグアインがシュートをゴールに突き刺し追加点。JuveがCLの最終節をクリーンシートで飾り、勝利で終える。

 

◆感想

デミラル・ルガーニのCBコンビが

奮闘しクリーンシートに貢献!

 

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特に前半は良く耐えてくれた、このお二人!

 

・控えのメンバーが健闘!きっちりアウェイで勝利を掴み取る

消化試合だった今節でなかなかモチベーションが上がらないであろう中、選手たちはよくやってくれたかなと思います。特に前半はかなり攻め込まれるなかで、DFラインが総入れ替えされたなかでよく耐えたなと思います。サッリ体制になってからはクリーンシート?なにそれオイシイノ?状態が多いわけですが、やっぱり無失点で勝つのは気持ちいいなと改めて思った。

 

・どうだった?クアドラードのIH

アッレグリも時々採用していたクアドラードのIH起用ですが、今回はケディラもベンタンクールも離脱中ということでサッリも試していましたね。ぶっちゃけ、筆者の見た感じでは前半は微妙だったかなぁ。けっこうボールロストしていた気がするし。しかし、後半はダニーロとの関係性が非常によかった。普段からRSBをやってるからなのか、ダニーロがオーバーラップをしたら使ってあげたり、逆にダニーロがワイドに張ってるときはパスをもらいにいったりと効果的な動きが多かった気がする。

 

・おわりに

さぁ、いよいよ今年も残すところ3試合となりましたね。国内リーグ戦のUdinese、Sampdoriaと対戦したあとにトリを飾るのはLazioとのイタリア・スーパーカップです!カンピオナートでは現在2位につけているので、国内リーグ戦は決して軽視はできないですが、なんと言ってもタイトルのかかってるビッグゲームには目が離せないです。しかも、すでに今季1敗を喫しているLazio相手なので余計負けられません。というわけで弾みをつけてもらうためにもまずは今週末のUdinese戦きっちり勝っていただきたいですね!

Udinese戦は日本時間で12/15(日)23:00キックオフとなります。今のところDAZNでの配信予定はなさそうなのでスカパー!での配信となりそうです

*1:トップチームデビューおめでとう

*2:whoscored.comより

セリエA 第15節 Juventus VS. SS Lazio

◇結果

Juventus(A) ー SS Lazio(H)

1-3

 

25min ベンタンクール→ロナウド   -0

46min ルイス・アルベルトルイス・フェリペ 1

74min ルイス・アルベルト→セルゲイ・ミリンコビッチ=サヴィッチ 1-

90+4min カイセド  1-

 

◆スタメン

Juventus

GK シュチェスニー

DF クアドラード*1ボヌッチデリフトアレックス・サンドロ

MF ベンタンクールピアニッチマテュイディベルナルデスキ

FW ディバラ、ロナウド

 

太字は前節から引き続きのスターティング選手。

 

交代

41min エムレ・ジャン IN ベンタンクール(負傷*2 OUT

71min ダニーロ IN ベルナルデスキ OUT

79min イグアイン IN ディバラ OUT 

 

 

SS Lazio 

GK ストラコシャ

DF ルイス・フェリペ、アチェルビ、ラドゥ

MF ラッツァーリ、セルゲイ、レイヴァ、ルイス・アルベルト、ルリッチ

FW コレア、インモービレ

 

※読み方が分からない選手は英語表記(すみません)

  

交代

75min パローロ IN ルイス・アルベルト OUT

85min カタルディ IN インモービレ OUT

90min カイセ IN セルゲイ OUT 

 

◇試合展開

Juveはお馴染みの4312に対して、Lazioはシモーネ・インザーギが好むWBを採用した352。スターティングメンバーに目を向けると、お互いベストメンバーで臨んだ試合と見ていいだろう。

試合はキックオフ直後からオープンな展開が続き、両チーム一進一退の攻防が続く。LazioWBの攻撃参加を含むサイド攻撃を主軸としながらも、ビルドアップに行き詰まると無理に繋げることはせず、ロングボールを使ったりと引き出しの多い印象だった。また守備時はWB(ラッツァーリ、ルリッチ)の上下とスライドを巧みに使った5バック⇔4バックの切り替えや、主にコレアのマンツーディフェンスによるピアニッチ消しなどが特徴的だった。

JuveはLazioのWBの上下を逆手に取って、生まれるスペースをマテュイディやベンタンクールなどが活かそうとする攻撃が目立った。守備時はベルナルデスキが1列あげて前からプレッシングをかけて脇にいるロナウドとディバラが連動するシーンがたびたび見られた。

25分ごろにディバラの縦パスが起点となってロナウドベンタンクールによる大きめのワンツーからJuve先制。41分にはベンタンクールが負傷し、エムレ・ジャンが投入。しかし、前半終了間際のLazioのショートコーナーから時間とスペースが与えられたルイス・アルベルトから絶好のクロスが上がり、ボックスに残っていたDFルイス・フェリペが頭で合わせ同点

後半も前半同様に比較的オープンな展開が続くが71分にクアドラード退場処分をもらうと流れは一気にLazioに傾きだす。74分には中盤の底から、2列目を飛び出したセルゲイがロングボールを受けると柔らかなタッチでボールを収めそのままシュートをゴールに突き刺す逆転弾。続いて76分にはカウンターからボックス内でシュチェスニーと1v1となったコレアはファウルを受けPKを獲得。しかし、シュチェスニーの2度に渡る連続セーブでJuveは難を逃れる

Juveは79分にディバラに代えてイグアインを投入するも、目立った改善は見られずロスタイムに獲得したFKで枚数を大量に前線に残したJuveが再びロングカウンターを喰らい、一度はシュチェスニーのセービングに助けられるも、途中出場のカイセが詰め、ダメ押しの3点目で決着をつけた。

 

 

◆感想

無傷のJuventus、今季初黒星を喫する

好調Lazioに力負けするも内容は決して悪くなかった?

 

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たかが1敗、されど1敗

 

ロナウドに変化の兆し?新たなスタイル?順応?

Juventus負けてしまいましたね~。単純にLazioのほうがチームとしての完成度が少し上だったように感じます。主に守備面で。Juveはと言うと相変わらず守備面に不安を抱えている印象が否めないですね。特に1失点目のやられ方がお粗末だったなと。しかし、暗いニュースばかりではなくロナウドのプレイはとても好印象でした。単純に流れの中からゴールを決めたというのもそうなのですが、前半は特にワンタッチ、ツータッチでボールを受けては繋ぐという姿勢も見えたし、守備時は左からロナウド、ベルナルデスキ、ディバラの3枚でゾーナルディフェンスみたいに構えてたシーンもありました。明らかにこれまでの試合とは違うアプローチで試合に臨んでいたように見えたし、結果としても不用意なボールロストなどが減っていた気がします。twitterのTL上でも、昨晩のロナウドのプレイについて称賛の声や好意的な意見が多かったと思います。

 

・負けは負け。それより23日のスーペルコッパどうすんだ?

はい、負けました。今季の公式戦無敗記録は途絶えました。それでSarri outだと?ふざけたこと抜かすのもたいがいにしろよと。こちとらサッリには目下23日のタイトルがかかったLazio戦に勝ってもらわないとしょうがないんですよ!!!今回はベンタンクール負傷クアドラードの1発退場などの計算の内にないハプニングに見舞われたということもあったけど、シモーネ・インザーギ率いるLazioは間違いなく地力のあるチームです。この敗戦を糧にして、サッリには研究してもらって23日に再び対戦するときにはこの借りを返してもらいですね。一番サイアクなのが、この1敗を引きずることですからねぇ。とにかくまだシーズンの途中。選手や監督、スタッフなどの現場の人間は外野の雑音に振り回されることなく切り替えてもらいたいとこです。

 

・おわりに

 次節のセリエAは完全消化試合となるCLのLeverkusen戦を挟んでからのUdinese戦になりますが、ピアニッチが累積で出場停止ベンタンクールが負傷離脱ケディラ負傷離脱と中盤が野戦病院状態。今季4勝しかあげていない格下のチームとは言え、難しいゲームになることは間違いなさそうです。サッリの柔軟性が試される試合になるのではないだろうか?

今年も泣いても笑ってもあと4試合!なんとか乗り切ってほしいですね。

 

 

*1:71分に1発退場

*2:怪我の程度は深刻なものではなく10日間ほどの離脱になるそう。Leverkusen戦とUdinese戦は欠場濃厚。

監督の言葉 Massimiliano Allegri篇①

筆者がJuventusの試合を観るきっかけとなった監督、Allegriが地元紙Corriere della Seraのインタビューに応じていて、内容がとても興味深そうだったので備忘録的にまとめてみた。なお、筆者はイタリア語には疎いのでイタリア語(原文)→英語(翻訳)→日本語(翻訳)という過程で原文の記事をなんとか自分なりに読み解いて要約してみた。

 

 

Q1.外側からカルチョを見てどう感じる?

Allegri :特筆すべきことが2点ある。一つめはアフリカ人選手の存在がカルチョをよりフィジカルなものに変化させていること。二つめは、カウンター攻撃の再来を評価していること。

 

Q2.カウンター攻撃?

Allegri:そうだ。我々はグアルディオラのことを誤解していたんだ。彼のカルチョは誰にでもできるものではなかった。偉大な時代を築いたバルサは3人の偉大な選手によって、相手を敵陣に収め込み、中盤の上下を駆使し、最終ラインをハーフラインまで押し上げた。それを可能にするにはイニエスタシャビそしてメッシが必要なんだ。

 

Q3.それでカウンター攻撃というのは?

Allegri:この話題は非常に繊細なものだ。サッキがボールを保持し積極的な姿勢を持つことを語るのを聞いているとウンザリする。というのも私が感銘を受けたサッキのカルチョというのは、サン・シーロレアル・マドリー相手に5-0で勝利したときのようなカルチョだからだ。あのときマドリーが緩やかにボールを回してる一方で彼はまっすぐに縦にプレイしたんだ。あれは縦型のミランだった、まさにカウンター攻撃だったんだ。そしてそれは簡単にできるものではないが、上手く行けばスペクタクルなものだ。

 

Q4.クロップのカルチョについてどう思う?

Allegri:基礎的な部分は真に現代的なカルチョと言えるだろう。それは3枚のFWで継続的にDFラインにプレスをかけ限定したエリアに閉じ込めるものだ。そしてそれはシュートを打つ機会を継続的に与え、サイドのスペースを求めるのではなく相手の後ろのスペースを狙う。このようなプレー原則が発明されたことをなぜ我々が恥じないといけないのか私には全く理解できない*1。引き分けの価値が勝利の半分だったころに、引き分けを狙って自分たちの守りを固めるのが一理あったように、守備フェーズから攻撃を導き、スペースの解釈を変えるというのもまた一つの方法なのだ。

 

Q5.他になにか興味深い発見は?

Allegri:選手の重要性と監督の真の役割だ。

 

Q6.真の役割とはどういうことですか?

Allegri:スキームなんて存在しない、人工知能なんて存在しない。大事なのは監督自身の目だ。1月からベンチにタブレットが設置されるらしい。曰く、最も頻度の高いパスが分かるんだそうだ。何をするためにタブレットを置く?私が直前にすでに見たものを一文に要約するためだ。カルチョはフィールドでの話であって、宇宙での話ではない。必要なのは日曜日に作法が分かっていて仕事ができる監督だ。その日、技術者になればいいんだ。そこから先は選手次第だ。選手の多様性にかかってる

 

Q7.カルチョのシンプルさと役割の論理とはどういうことですか?

Allegeri:例をあげよう。クリバリ、マノラス、アルビオル。私もよく尊敬するアンチェロッティによって鍛錬された偉大な3人の選手だ。中央の教授は技術的特性の高いアルビオルだ。状況を読む力に長けていて、行動を進行させる直観もあった。クリバリはフィジカル的な側面では並外れていた、他の側面では劣る。マノラスは対人能力に置いては優秀だったが、集団的なアイディアではクリバリより劣っている。つまり、私のなかでカルチョとは「これ」を理解することだ。個々の特性を理解し、特定のシチュエーションに適用させることだ。選手と選手を統合させ、完成させること。これは数字やタブレットアルゴリズムが教えてくれるわけではない。

 

Q8.今、(カルチョに)足りないものは?

Allegri:監督だ。我々は長い間直観で生きてきたが、今はそれを構築するときだ。監督を生業としてるものがガッリアーニやマロッタが自分の側につくかどうか考えるのは無駄だ。以前にも言ったように、未来に向けてオープンとなり、新たなリーダーが必要なんだ。今はリーダーがいない。リーダーがいなければ後が育たない。名を挙げるとしたらリッピカペッロだ。彼らはすべてを成し遂げたがまだ若い。仲良しごっこはもうたくさんだ。実際、ビッククラブは誰に監督を任せていいのか困惑している。彼らに助けてもらうためにも本気でお願いするべきだ。

 

Q10.代表が調子をあげてきましたけど、それについては?

Allegri:この前サルサーノ*2会ったので、マンチーニにおめでとうと伝えてくれと言っといた。彼は素晴らしい仕事をしてる。なぜか分かるか?

 

Q11. どうしてですか?

Allegri:たしかに彼はずっと素晴らしかったですが、今の彼は別人です。より厳しく、真剣になりました。

 

Q12.昔は違ったのですか?

Allgeri:しかし、もちろんそうだったのですが、今は変わりました。彼はみんなとカルチョについて話し、そしてシンプルにプレイします。彼はマエストロである一方、我々は教授の世界なのです。

 

Q13.例えば?

例えではなく、実際の思い出を紹介しよう。今年の夏、ガレオーネとジャンパオロと会ってカルチョについて意気投合していたときだ。私はジャンパオロにこう言った。『マルコ、アドバイスをやるわけではないが一つだけ言わせてくれ。君はミランにいるんだ。誰もがミランで指揮を執れるわけではない。チームを人気者で固めるな、それは結果として君を2つに分断することになるだろう。ふざけることのできるスタジアムではない。セントラル・ミッドフィルダーが欲しいのか?言っておくが、それはスソではない。しかしスソは偉大な選手だ。統合して適応させるんだ。カルチョはみんなのものだ。望んでいるレジスタがいないなら、2枚のセントラル・ミッドフィルダーを使うことは避けられないはずだ。』と。重要なのは選手のクオリティであって、監督の能力に関係なくそこは妥協してはならない。そしてその点こそが我々、カルチョの問題点なのだ。

 

 おしまい。

 

ソース:

www.corriere.it

 

*1:おそらくボールを保持することを美学とする連中に対するイヤミ?

*2:イタリア代表監督マンチーニコーチングスタッフの一人